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Masato Yokosawa
ヨコサワ マサトさん World Poker Tour メインイベントに史上初の日本人チャンピオンが誕生した。 彗星の如く現れた若きチャンピオンは12月に21歳を迎えたばかりだ。 初の海外トーナメント参加直前にプロになることを宣言をし、見事にタイトルを獲得。 あどけなさの残るその表情は自信と希望に満ちており、これからスターダムを駆け上がるに違いない。 ポーカーを始めてから、たった9ヶ月でWPT Champions Clubに名を連ねた彼は これからも進化を遂げ、日本を代表するプレイヤーになるでしょう。

主な戦績

2013年 WPT $ 3,000 NLH Main Event 優勝 US$100,000

国内トーナメント

2013年 シマダブログ杯 6位 PokerStars サンデーミリオン参加権

2013年 Japan Poker Tour 東京 3位 カジノ入場規定年齢により辞退

2013年 浜松 Libra Cup 優勝 レッドドラゴン参加権

 
※WPT world poker tour











ポーカーを覚えて9ヶ月で海外トーナメントに挑戦し、メインイベントで見事に優勝。これからプロポーカープレイヤーとして世界へ羽ばたくヨコサワさんにWPT優勝の感想と初心者からチャンピオンへの道のりとプロになる決意を伺いました。


-- まず優勝瞬間の感想をお願いします --
トーナメント中はもちろん優勝を目指してプレイしていましたが、 4日間の長いトーナメントの疲労からなのか、優勝の瞬間はやっと終わったかと安堵してました。 優勝した瞬間はWPTのチャンピオンなんだという実感はなくて 帰国してから、仲間たちに祝ってもらって初めて大きな大会に優勝したんだなと感じました。

 

-- 最初に優勝の報告は誰にしましたか --
いつもポーカー談義をしている東京dePOKER漢塾というコミュニティーのメンバーに伝えました。 初めての海外トーナメントということもあり、みんな心配してくれていたし、Day1からずっとコメントやアドバイスをくれていました。仲間の声援は本当に心強かったです。

 

-- 賞金1,000万円の使い道は --
これはWPTに出場する前から決めていて、賞金の全てをポーカーに使います。 賞金がUSドルで支給されたのも幸を奏して、僕にとってドルという通貨はポーカーチップと変わりません。 これがJPYで支払われていたら、ちょっと贅沢しちゃったかも知れませんね。 今は高価な物を買うとか贅沢するよりも、たくさんのトーナメントに参加する資本ができたことが一番嬉しいです。

 

-- WPTメインイベントを振り返って --
初めてDay4という長いトーナメントを戦いましたが、めちゃくちゃ楽しかったです。 まず最初に国内のトーナメントと違って自由度が高く、ストラクチャーに縛られず、自分のストラテジーに忠実な自分らしいポーカーが出来た。次に2013 ANZ Player of the Yearの余語伊織さんの隣で、ずっとポーカーが出来たことが本当に楽しかったですね。 あとはアンノウンな海外のプレイヤーと対戦して、色んなプレイを見れたことは刺激になり、勉強になることも非常に多かったです。

 

-- 600BBスタートのトーナメントにどうアジャストしたか --
初めての大きい舞台ではありましたが、ブラフスポットではブラフをして、アンダーザドッグだと判断したらフォールドする。 というように、1つ1つのアクションに対する判断をほとんど迷わず自信を持って出来た事が良かった点でしょうか。 先程、述べましたが僕の右隣に余語さんがいたことが、ものすごく大きかったです。 まず最初に僕から話しかけたんですね。彼を知る共通の知り合いもいましたし、親しい友人が彼の記事を書いていたので、 彼が偉大なプレイヤーであることは知っていました。テーブル上でプレイの質問はできませんが、とにかく彼をずっと観察できたことが非常に大きかったです。トーナメント終了後も余語さんとポーカーの技術に関する専門的な話をたくさんして、 本来なら、1年かかるレベルの成長を2〜3日の間で急速に進化できたことが大きな収穫でした。 今後も最も尊敬するポーカープレイヤーの一人として、様々なツアーを共に闘っていく事になると思います。 その他にも日本を代表する蒼々たるプレイヤー達と同卓する機会も多く、海外トーナメント初体験の私にとっては恵まれた環境でプレイできました。 後に知るのですがAPPTセブメインイベントに優勝したSimbaさんとプレイできたことも成長の材料になりました。

 

-- WPTでの勝負所 --
ITM(入賞)が決まった後、残り18人くらいの時です。 AAが配られてフロップでトップセットが完成していましたが、相手はフロップでストレートができており、18BBから4BBまでスタックを減らしました。その時は、トーナメント終了したなって思いましたが、そこから復活できたことが大きかったです。 単にダブルアップしただけでなく、スチールやアグレッションの高さでスタックを増やし、戦線復帰できたことは他のプレイヤーに様々な影響を与えたと思います。Day3後半で大きなポットを獲得したシーンがあります。そこで、ダブルアップに近いくらいスタックを増やせたことが、その後のDay4で楽に戦えたきっかけになりました。 長いトーナメントにおいてコインフリップをするシーンが必ずあります。WPTに関しては本当にラッキーでした。敗退するかも知れない重要なコインフリップのシーンで勝ち続けたことは大きかったです。

 

-- 優勝が見えたシーン --
Day4は6人でスタートし、ブラインドヘッズ時のブラフハンドで大きなポットを獲得しました。 この時、彼のハンドレンジにターンでバリューベットを打てるようなハンドのバリエーションは少なく ターンでのこのベットはフローティングのようなブラフレンジがかなり広いと判断しました。 仮に、彼がボトムヒットなどのある程度バリューのあるハンドを持っていたとしても こちらのレイズ額はターンでコールした場合にほとんどリバーでオールインにコールせざるを得なくなる大きさで 現状チップリーダーである僕に対して、2〜3位のチップ量を持っている彼からするとICMの観点からもコールする事は かなり難しいだろうと考えていました。 このポットを獲得して、2位と大きく差を開けたチップリーダーになったと同時に、テーブルでの主導権を握れた事で優勝に近付いていると確信しました。この時の私のハンド?皆さんの想像にお任せします(笑) ヘッズアップはスタック差があって優勢でした。一時、僅差になるシーンがありましたが、その時も相手がプレッシャーをかけて来なかったので、比較的楽に勝利できました。強いて言うなら、相手が56sでオールインし、私がAToでコールして負けた時に僅差に追いつかれたのですが、ラストハンドは逆にリバーで相手がATsでオールインし私が56sでコールして、私が優勝を決めた時は運命めいたハンドだなと感じました。 ※ハンド履歴 ※ラストハンド履歴






-- ポーカーを始めたのはいつですか --
2013年の4月です。ホールデムを知っている友達がいて仲間内何人かで遊んでいました。 今まで嘘をつくゲームをやったことがなくて、ブラフで降ろせる。嘘をついて良いゲームっていうところが斬新でした。 後は運の要素と技術の要素のバランスが絡み合っている点、でも運も必要というところが中毒性があるというか夢中になった点です。友達とポーカーをやっていた時に思ったのですが、ポーカーは覚えれば上達するだろう。ベーシックストラテジーがあるはずだと感じたので勉強を始めました。 まず、シマダブログポーカー道を読んで基本を覚えて、参考にしたのはフィルゴードンのデジタルポーカーでした。基礎の基礎を覚えるだけで全然変わりました。仲間内の中では全く負けなくなりました。そこで、天狗になった私はたまたまAJPCの開催情報を見て参加するのです。 結果は全く歯が立たず負けてしまいますが、そこで初めてトーナメントに出会ったのですが、スリリングですごく面白いと感じたことを覚えています。 次にJapanPokerTour東京の開催を知るのですが、このトーナメントは予選に勝たなければ参加できませんでした。 このトーナメントにはきっと予選を勝ち抜いた猛者達が大勢いるのだろうとわくわくしていましたね。 そこで、予選に参加する為に渋谷で開催されていた東京dePOKERに行ったことが大きな転機となりました。 東京dePOKERは海外トーナメントに参加しているプレイヤーが多く、まるでプロ集団に囲まれながらポーカーしている心境でした。ここに足を運んだことで、私は本格的にポーカーを勉強することになるのです。

 

-- 9ヶ月の間でどうやって上達しましたか --
やっぱり、知識と経験の差なのか勝てない日が続きました。 ある日、何がいけなかったのだろうと考えていると、帰り際に東京dePOKERのマネージャーさんに声を掛けられ、勉強方法やオンラインポーカーでハンド数をこなすようアドバイスされました。そして、何よりもポーカー談義ができる仲間を作ることが大事だと教えられ、堀さんや横溝さんを紹介してくれたのです。 それからは解らないことやダメなところ、逆に良いところも何でも聞きましたね。 いつしか、ポーカーの事を質問する為にであったり、オンラインの経験を実践しに東京dePOKERへ通っていました。 仲間との出会いとオンラインとライブの反復が成長した大きなきっかけであったことは間違いありません。 それに、何でそのアクションを取るのか、何故そうすることが正しいのかの「理由」を説明してくれたことが、非常に勉強になりました。 WPT出発直前は、スランプに陥っている時期があったのですが、実際にWPTに参加して、 海外の格上プレイヤーばかりがいるテーブルでプレイする事によって、初めて今までの経験や勉強が全て頭の中で綺麗に整理され、自分のストラテジーが出来上がったという感触を得ました。 今まで勉強してきた知識の正しい点、正しくない点、特に「常識」の一言で片付けてしまっていた悪いプレイや間違った理論を見付けられた事が大きかったです。

 

-- 勉強した成果を実感できたのはいつ --
まず、アキバギルドで開催されたシマダブログ杯で6位に入賞した時に一定の成果の実感はありました。 なぜなら、ディープスタックでロングストラクチャーなトーナメントはスキルを求められる要素が大きいと聞いていましたし、 そこで入賞したことと、アキバギルドではRFID(ハンド公開)テーブルが設置されていて、後から録画を観た時に 自分のリーディングと合致していたことが多く、自分の実力を確認できたことは大きな自信となりました。 その後、JPTに再挑戦した時には3回参加した予選の全てに通過し本選で3位に入賞しました。 そこでもハンド公開が行われており、勝っているハンドでバリューを取れていたし、負けているハンドは降りていた。 順位にも納得していましたし、内容も正しいプレイが出来ていたことの確認も出来ました。 普段はそんなロングストラクチャーなトーナメントに参加していないけど、そこで成果を上がられたことは知識と実力が備わってきている実感をそこで得ることができました。 JPTから日本代表としてマカオのトーナメントには年齢制限の為(当時20歳)入場できず参加を辞退することになり、 くさくさしていたところ、浜松のトーナメントに遠征し、優勝できたことは嬉しかったし、誘ってくれた仲間に感謝してます。







-- 東京dePOKERの何が良かったのですか --
他のポーカースポットに顔を出さない上手いプレイヤーがたくさんいること。 名前を上げるとキリがありませんが、ここは海外で頻繁にプレイしているプレイヤーでも、遊びに来る場所なんだというイメージが強いですね。 国内におけるポーカーの楽しさの8割はメンバーだと僕は思います。その良いメンバーが集まるスポットです。 あくまで所感ですが、東京dePOKERはお洒落で格好良いですね。 せっかくポーカーをやるんだったら格好つけたくてやっている人も僕を含めているわけで、他のスポットも何件か行きましたが、なんだか雀荘のような感じで好きになれませんでした。 お洒落な雰囲気で服装もお洒落な人が多い場所で遊べることが気持ち良かったりするし、モチベーション向上につながっていましたね。たまにダーツの女性客が「何これ?格好良い」ってポーカーコーナーの横を通過するシーンがあって、そんな時もポーカーやってて良かったなってテンション上がります。 あとは日曜のストラクチャーが良いですね。25分のストラクチャーですが、ロングストラクチャーで戦う練習になりました。 平日のターボストラクチャーはショートスタックになった時のプッシュレンジや立ち回りの練習になりました。 初心者のうちはプリフロップのレンジも理解していないのにポストフロップの勉強なんてしても仕方ないわけで、僕のレベルでは参考になる部分が非常に多かったです。

 

-- プロ転向のきっかけと動機 --
初めてポーカーをプレイしたその瞬間から、一生ポーカーをプレイする事になるだろうという確信があったので 当然、プロに対する憧れや願望はありました。当時、僕は18歳の時に立ち上げたWeb広告の会社を経営していたのですが、僕のポーカーに対する真剣さを感じ取ったビジネスパートナーや共同経営していた仲間から後押しされた事もあり、 経営している会社を当時従業員であった兄と仲間に任せて、海外でポーカープレイヤーとして生活していく事を決めました。 元々大学を中退して起業していた事もあってか、家族や友達を含めて周りに反対する人や止める人は不思議と1人もいませんでした(笑) よく誤解されるのですが、ポーカープレイヤーになって稼ぎたいと思った事が動機ではなく、 純粋に「四六時中ポーカーの事だけしていたい」というのが最も大きい動機です。 トーナメントやキャッシュゲームで勝つ事はあくまでも目標と結果であり、プレイマネーのポーカーでも僕は満足してプレイできると思います。海外に行った事がないのにプロ志望なんて、と笑った人もいるかも知れませんが、プロになるのに誰かに認めて貰う必要があるとは考えていないので、絶対に上手く行く確証があったわけではありませんが、勝てなかったら、勝てるまで努力するし、いつかは必ず勝てるという自信があったのも事実です。 日本人でプロとして活動されているプレイヤーが何人かいらっしゃいますが、プロとして生活することが並大抵のことではないと理解しているつもりです。プロに転向というより、今の私は「プロを目指している専業プレイヤー」という表現が正しいと思います。

 

-- 今後のプランとテーマ --
出発前からプランを立てていましたが、今回の優勝により、上方修正できることは幸運です。まず、トーナメントの参加数を増やせるということ。当初はトーナメントに出場しつつ、キャッシュゲームで収益を出そうとしていたので、資金が潤沢になったことで参加予定のトーナメントを増やせました。 1月のMPCの参加は決めていましたが、2月のAPTセブ、4月のAPPTソウル、4月末のWPTチャンピオンズシップ、5月6月のWSOPと既に挑戦を決めています。年明け1月から4月迄はマカオに拠点を移し、4月末からWSOPが終了するまではラスベガスを拠点としてキャッシュゲームを主に活動するつもりです。 もちろんWSOPメインイベントで優勝することが全ポーカープレイヤーの目標です。ただ参加するのではなく、また日本中を沸かせるような結果を出しますので期待して下さい。

 

-- 初心者へアドバイス --
この前まで私も初心者でした。ポーカーを上手くなる為に必要なのは2つあると僕は考えていて 1つは人に聞く事。もう1つは自分で考える事です。当たり前のように聞こえるかも知れませんが、とても重要な事だと思います。 まず人に聞く事ですが、人にポーカーを教える事って結構難しいけど、質問に答えることは簡単なんですよね。 それを聞ける環境は本で学ぶより、オンラインをプレイするより大切だと思います。 人に聞いた上で自分のプレイを修正しストラテジーを組み立て直すことを私はアドバイスします。 上手いプレイヤー達と仲良くなり、その人たちのレベルに早く追いつき有意義なセッションをする時間が何よりも大切です。 その相手とスタイルや性格が異なっていても良いし、答えが同じではなくてもポーカーを話し合える仲間と過ごす時間はプレイしている時間よりも重要だったりしますね。 そして、次に自分で考える事ですが、皆さんが思ってる以上にポーカーというゲームには間違った常識や本当の意味を履き違えた理論が出回っていると僕は思っています。だからこそ、人に聞いた事や勉強した事を全て鵜呑みにするわけではなくて、常に頭の中でその知識を整理するべきだと思います。ポーカーのキャリアが比較的長いプレイヤーの多くは、自分より下手だと思うプレイヤーのプレイを見て笑う事しかしませんがなぜ、そのようなアクションを取ったのか、もしかするとメリットもあるんじゃないか、と自分のプレイが間違ってる可能性もある事を意識するべきです。 初心者のうちに自らのスタイルを確立させるのは大変素晴らしい事ですが、常に柔軟性を持って固定観念に囚われない事が大事です。人に笑われないための教科書通りのポーカー、つまり負けたくないポーカーをするのではなくて、常に自分のしたいポーカー、勝ちたいポーカーを目指してみる事です。 常にチャレンジする精神と、自分のプレイは間違っていないかと自問自答できる探究心が大事だと思います。

 

-- ポーカーってどんなゲーム、どんな世界 --
ポーカーは絶対にこれだという正解が人によって違うゲーム。 同じハンドで同じアクションがあったとしても相手によってこちらが取るアクションが違うんです。 面白いのがスポーツでも他のゲームでも相手が弱ければ弱いほど手を抜けますよね。 ポーカーの場合は運の占める要素が大きいからこそスキルの部分で埋めなくてはならない。 いかにして勝つかという方法ですら相手によって変わるんですね。 相手によって正解が変わるゲームなので、相手がプロであれ、初心者であれ、そのレベルに応じた戦術を採用しなければいけないのです。相手が初心者だからと言って簡単に勝てるゲームでないところが実に面白いです。 どんなゲームと問われるとコミュニケーション能力が重要な対人ゲームの究極系なのかな。 ポーカー界は煌びやかでスターダムな世界だと僕は思います。それこそハリウッドスターとかテニスプレイヤーとかと同じくスターが存在し、そして生まれうる世界ですね。それが日本で浸透していないことが本当に悔しいです。 アメリカのポーカーの世界はプレイヤーの数も多ければ、ファンの数も多い。世界的に見て有名なスポーツなのに、何で日本でだけ流行っていないのだろうと不思議なゲームです。この世界観を日本人にも理解して欲しいし、日本にも早く出来て欲しいです。プレイしなくても良いから、ひとりでも多くの人にポーカーを知って欲しいですね。 「21歳の青年が世界ツアーで優勝したらしい」「賞金はこれだけ獲得したらしい」「ポーカーってそんなに稼げるゲームなんだ」初めはそんな認識でも良いから、ポーカーを知って欲しいですね。まずは存在を知ってもらい、一人でも良いから横澤さんがきっかけでポーカーを始めました。という人が、現れてくれると嬉しく思います。 そしてその頃、僕はポーカー界の一番華やかな場所にいるでしょう。

-- 最後に一言 --
I'll get the triple crown

 

インタビュー:カツマPokerJapan

 

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