
#06 NLH Heads-up Championship
モリスンさん
この度はJOPT 2025 Tokyo #03 #06 NLH Heads-up Championship 優勝、おめでとうございます!今の率直なお気持ちをお聞かせください。
前回、JOPTのヘッズアップ ハイローラートーナメントで5位だったので、なんとか雪辱を果たしたいと思って参加しました。だから、勝ててすごく嬉しかったですね。ヘッズアップは大好きなんですけど、こういうフォーマットのトーナメントが少ないので、待ち望んでいたトーナメントでした。もう、最高に嬉しかったです。
待ちに待った2度目のヘッズアップトーナメント、全体を通してどのような印象でしたか?
今回は予選会がなかったので、初めてヘッズアップに興味を持ったという初級者の方から、本当にヘッズアップのスペシャリストと言われる人まで、幅広いエントリーがあったなと思います。結構アグレッションが高いプレイヤーが多くて、楽しかったですね。
以前とはまた違ったヘッズアップを楽しんでいただけたようで良かったです。今回のトーナメント中、特に印象に残っているハンドはありますか?
準々決勝時のファイナルハンドですね。あれがトーナメントを通して一番悩みました。相手はヘッズアップに慣れていそうな非常にうまい印象の方でした。
僕が50BB持ちで相手をカバーしていて、相手は35BBぐらいの場面。僕がボタンでJ5sを持ってオープンしたら、相手から3-betが返ってきました。低い頻度で4-betも検討できるハンドですが、エフェクティブも考えて、コールにとどめました。フロップはJ-8-7のツートンボードで、僕のハンドはトップヒットで色は絡まず、相手がチェックしたのでハーフベットを打ったら、オールインが返ってきたんです。
そのオールインに対して、コールすべきかフォールドすべきか、どのように判断されたのでしょうか?
まず、必要勝率は35%ぐらいだろうと考えました。相手の3-betレンジが事前の読みで「適正よりやや広め」で、特にスーテッド系のハンドが多いと推測していました。その上で、相手の強いメイドハンド、例えばストレートやセット、トップヒットといった手は、フロップでいきなりオールインはせず、CBを打ってからターンで仕掛けてくるのが一般的かなと。だとすれば、相手のオールインレンジは、オーバーペアの一部か、もしくはツーオーバーやコンボドローといったブラフやドロー系のハンドの可能性が高いと思いました。
相手の特徴として「バリューをしっかり取るタイプ」だと読んでいたため、強い役でいきなりオールインして相手を降ろすアクションを想定しづらいと考えました。。当時は必要勝率にやや足りていないが、Qxローなどのスーテッドまで3-betに含まれ、且つ今までのプレイライン実績から強いメイドハンドでのオールインを否定していたので、その読みを信じ、相手のブラフの可能性にかけてコールしました。結果は、相手ハンドがスーテッドでそのままトップヒットが抜けて勝利しました。
あのハンドは、最も思考量が多く、非常に勉強になった場面でした。
相手プレイヤーの傾向を把握できていたからこそ思考することができたワンハンドですね。相手のプレイを掴むために何か意識していることはありますか?
特別なことではないですが、フロップ以降の相手のベットアクションの意味をしっかりと理解していくことですね。それによって、大きなポットを獲得するためにはどういうラインを取るべきかを常に考えて構築していく感じです。
相手のプレイスタイルに合わせてご自身の戦略を調整されると思いますが、その戦略変更は意図的に行っているものですか?それとも感覚的な判断によるものでしょうか?
アジャストは戦略の一部ですね。相手のアクションの質や癖、思考といった情報を分析して、常に対戦の中で戦略的に構築していく感じです。ポーカーをプレイしながら、常に考えている部分だと思います。
ヘッズアップにおいて、特に重要だと考える戦略はありますか?
基本は「常に”ハンドの価値を最大化する”ための選択をする」ということです。その上で、ヘッズアップでエッジが出そうだなって思うことがいくつかあります。
「バリューの下限設定」「チェックレンジの強化」は、広いレンジで参加することが前提のヘッズアップというフォーマットとマルチテーブルトーナメントとの違いを考えたときに意識しているポイントです。リバーで薄いバリューを獲りきること、相手のアグレッションを利用したチェックレイズやチェックコールのカウンター戦略について深く考えることが勝率アップにつながりそうと考えています。もうひとつは、相手のプリフロップでの「3-bet、4-betレンジに対する理解度を見抜く力」も広くレンジが交錯するヘッズアップで勝率の差に直結するのではないでしょうか。どれも、運の要素を極力減らすために、小さい利益活動をどれだけ積み重ねていくかという観点で、探究心をもって取り組んでます!
なるほど。リスクを取る場面と抑える場面のバランスも重要ですよね。
そうですね。特にスタックが短くなった時の調整は意識しています。例えば、ディープな時は2.5BBや3BBでオープンしますが、エフェクティブスタックが20BBや30BBのショートになってきたら、オープンサイズを2BBに設定します。これには2つ理由があって、1つは小さいベット でも十分なフォールドエクイティがあること。もう1つは、相手から3-betやオールインが返ってきた時に、こちらの損失を最小限に抑えるためです。リスクを最小化するわけですね。相手がショートの時は、強いハンドと弱いハンドを混合させたリンプ戦略を使っていきます。

決勝戦はインフルエンサーの谷口彩菜さんとの対戦で、非常に注目度が高かったですね。
応援も多かったですね(笑)。彼女とは以前マスターズで同卓したことがあるんですが、「むっちゃ負けず嫌いだ」という印象でした。JOPT参加者の中でもトップレベルだと思います。ポットへの固執がいい意味で高くて、相手の思考量を増やすアクションをしっかりやり切る。正直、「可愛くないプレイヤー」だなと思っていました(笑)。ブラフもバリューも大きいサイズで打ってくるので、非常にやりにくい相手でしたね。
決勝はもう逆転劇でした。一時は12BBとか15BBぐらいまで追い込まれていました。決勝に関しては、彩菜さんがずっと主導権を握っていて、僕のスタックはレベル4ぐらいまで原点から増えることがなかったです。
僕が18BBくらいの時にA10でダブルアップできたところから、少しずつ流れが変わってきた感じです。
ここで今回見事2位を獲得されました、谷口彩菜さんよりコメントをいただいております!
改めてモリスンさん優勝おめでとうございます!
悔しい気持ちはもちろんありますがそれ以上に、他の大型FTで同卓したことがあり、そこでモリスンさんが素敵で印象的で覚えていたので、今回ヘッズアップできたのが嬉しかったです!やっぱりめちゃくちゃ上手すぎるなって思いました!!
また対戦おねがいします!

モリスン様は国内外で数々のタイトルを獲得されていますが、JOPTでの優勝は初めてだそうですね。
そうなんです、初めてです。だから「やっとかよ」と(笑)。嬉しい反面、かなり時間がかかっちゃったな、という気持ちもありましたね。
改めて過去の主な優勝歴を教えていただけますか?
国内では2020年の「Masters Main Event」や2024年の「Masters 500」で優勝しました。JOPT関連では「Poker Players Championship」で2位、「Platinum」で3位などがあります。海外では韓国の「AOPT 韓国 Main Event」や「APT MANILA Superstack」で優勝しています。
本当に輝かしい結果をたくさん残されていますが、今回の優勝に関してご自身ではどのようにお考えでしょうか。
勝ったことでさらにヘッズアップを勉強したいという熱意が高まっています。祝勝会のお話もいただくのですが、目標はWSOPやEPTのMain Event ファイナルテーブルなので大きな舞台で結果を残せた時に、皆さんと一緒に盛大にお祝いしたいという気持ちが強いです!
JOPTというイベント自体の魅力はどこにあると感じますか?
まず、日本で最も権威のあるポーカーの舞台だと思っています。
この10年で、メインイベントの参加者は数百人規模から、今では何千人規模にまで拡大しています。これは運営の方々の努力の賜物で、本当に素晴らしいことだと思います。今では海外のプレイヤーからも「出てみたい大会」になってきていて、まさにアジアに誇れる大会なんじゃないかなと。
大変嬉しいお言葉をいただきありがとうございます。最後に、この記事を読んでヘッズアップに挑戦してみたいと思うプレイヤーへメッセージをお願いします。
ヘッズアップは、相手の特徴を早く正確に読み解く「リーディングの精度」を高めるのに最適なフォーマットだと思います。運や流れの要素はもちろんありますが、それを極力減らすためにどうすればいいかを学べる。一対一の真剣勝負は、ポーカーのスキルを格段に向上させてくれるはずです。興味があったら、ぜひ一歩踏み出して参加してみてほしいですね。
本日は貴重なお話をありがとうございました。モリスンさんの今後のさらなるご活躍を期待しております。改めまして、この度はご優勝誠におめでとうございます!

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