
#57 PLO Highroller 優勝
PLO Highroller 優勝おめでとうございます。まず、今の率直なお気持ちをお聞かせください。
ありがとうございます。PLO Highrollerが初登場してから、初開催の前回は、やる気はあったのですが、バタバタと忙しく運気の練り込み不足で勝ち抜けに失敗したので、今回はこのイベントにターゲットを絞っていました。今回は上手くいったので満足しています。
ご自身が企画・提案にも関わられてきたPLOトーナメントでの優勝ということで、特別な想いもあったのではないでしょうか?
そうですね、企画提案において、既に幅広くMIXやPLOのイベントを取り入れていただいています。おかげさまで「日本で1番NLH以外の種目が楽しめる大会」も、JOPTになりました。既にアジアで1番と言っても良いと思います。
そして、毎回プレイヤー目線で様々なイベントに可能な限り出場し、参加費と内容の整合性、ディーラーやフロアの所作や技能、進行や案内、また全体のクオリティ、プレイヤーの声、などを観察し、次の大会に活かせるように努めさせていただいています。
その中で、前回のPLO Highrollerイベントに対する改善を同様に行い、JOPT本部のスタッフさんとのスムーズな連携により、初期スタックとストラクチャーが変更されました。
そういう意味では、とてもストレスの無い、タイトルと内容が見合ったイベントとなり、自身としても気持ちよくゲームをプレイ出来たので嬉しく思います。今回、みんなのストレスは、僕が勝ち抜いた事だけなのではと思います。

そういった積み重ねが大会の進化につながっているんですね。トーナメント全体を通していかがでしたか?
最初に自分を含めプレイヤーの分類を大きくしました。
1.PLOのロジックが好きで自信があり出場
2.PLOのギャンブル性が好きで出場
3.PLO Highrollerだから出場
の3分類に、2枚目のレイヤーとしてリエントリーの意思が有りそうか無さそうかを組み合わせて、大きく6分類です。
出場者がある程度限られてくるハイローラーイベントだからこそこの分類はかなり精度を出せたと思いました。
10万点のディープなゲームだからこそ序盤からそうそうスタックコミットする必要はありませんので、中盤戦が終わるまでは上の分類に対してバリューとブラフの比率を調整し、安全なサイジングでゲームメイクをして進められました。
ファイナルテーブルになった時点では4~5番手くらいのスタックだったと思います。全体のスタック配分は丁度3分割で、沢山持っている方が3名、平均的な方が3名、少ない方が3名でした。このうちの5名は日本のPLOイベント常連のプレイヤー達で、その内の2~3名はショートスタック、ビッグスタックの方はアンノウンの3名、チップリーダーはすぐ左に座っており、以前に一度対戦した事もあるなかなかに攻略が難しいプレイヤーでした。
有利にゲームを進める為には、その他は関与せず周囲に預けて観察に努め、先ずは早い段階でチップリーダーをアベレージまで落とし、リスクをとりたくなった時点のオーバープレイを誘発するプランに専念しました。
結果的に上手く機能して、丁度僅かにカバーした状況でオールインまで引き込めた事が印象に残っています。これにより以降の動きが明確になり、行い易くなりました。
なるほど、かなり緻密にプレイヤーを分析して戦略を組み立てていたんですね。 優勝を意識し始めたのはどんなタイミングでしたか?
プレイヤーズガイドが発表されて、出場するイベントをマークした時から意識していました。前回の同一イベントでの失敗が頭に浮かび、今回は優勝しようと思いました。
NLH以外のポーカールールの認知が広まってきていますが、過去と比べて現在のPLOやMIXなどについては、どのようにお考えでしょうか。
イベントにおいては、今回のトーナメントが壇上のメインテーブルにて行われた事は大きな進歩でした。
それにより、DDPTの店舗の仲間や協力してくれているスタッフ達が、晴れ舞台を貰って嬉しそうに見えたのが1番嬉しかったです。普段は端っこの方でやってますからね。
彼らはとてもスキルの高い技術者で、彼ら無しでは満足度の高いゲームはプレイヤーへ提供する事が出来ません。これからも沢山表舞台でハイクオリティなゲームを支えていって欲しいです。
また、何年も前からポーカーは日本人に向いているゲームだと言って来ましたが、その中でもMIXやPLOなどはロジカルな要素が高く、繊細で緻密な日本人プレイヤーには更に楽しめるゲームです。故に、一度知って貰えばどんどん広まるのは当然だと思っています。
ほんの数年前はポーカー=NLHが当たり前の認識でした。しかし今では、様々な店舗でNLH以外がプレイできる様になりましたし、大型大会にもほぼ確実にラインナップされる様になりました。これはやはりJOPTの功績だと思います。なにしろ以前は古くからのプレイヤーしか居なかったMIXが、今では20代や30代ばかりです。
日本のポーカーシーンに世界レベル相当、もしくはそれ以上の幅と格調を持たせられた事に繋がりますから大変嬉しく思っています。
日本人プレイヤーがさらに楽しめるゲーム。非常に興味深いお言葉だと思います。日本のプレイヤーの成長や、PLOなど新しいゲームの広がりについて、現状どのようにお考えでしょうか?
今イベントに関わらず、日本のポーカープレイヤーのゲームに対する理解深度は年々掘り下げられていると感じてはおります。これは世界を見ても同じですが、流行に対する対策が次の時代のスタンダードを生み、またそれを対策する繰り返しがゲームの厚みと多様化を進めます。PLOもまたその循環の中から生まれ、派生している訳ですが、基本はおさえた上で、対人LIVEにおけるプレイクオリティやその精度は数年前に比べて、どの層もかなり成長した様に思います。条件、状況に対応する選択精度は、未だ目下成長中といったイメージです。これに関しては環境整備を考えていきたいものだなと感じました。
また、昨今のリングゲームの流行の中から、今までの流れではPLO を体験して貰えなかったであろうプレイヤーが散見でき、嬉しく思いました。
7~8年前にNLH以外のポーカーを日本に広めようと決めましたが、大変な事がたくさんありました。でも気が付けば、今は関東内どこでもいつでもPLOやDraw、Stud、そしてMIXが楽しめる様になりました。これは単純に嬉しく思います。
同時にもっと嬉しく思う事は、「ルールよりもマナー」の思想がちゃんと根底にあるプレイヤーが後続のプレイヤーを創出してくれている事です。例外も有るとは思いますが、ゲームはお互いに相手がいてこそな訳ですから、これからもゲームそのものやプレイヤーや運営やクリエイターなど、全てに感謝と尊重心を持ちつつ広がっていって欲しいです。
PLO Highrollerでは非常にレベルの高いプレイヤーが集まったかと思いますが、どのような点を特に意識して戦いましたか?
私見からすると、プレイレベルの高いプレイヤーだけが集まった訳では無いと思います。しかしながら、良いゲームになりました。
マナーレベルが高いプレイヤーが集まる事は素晴らしいです。
しかし、それとは別に、ゲームは様々な思考レベルのプレイヤーがその思考深度の選択を使い分けながら進行出来る環境、つまり、多様なプレイレベルのプレイヤーが集うほど面白い訳です。常に同じ思考深度のプレイヤーだけが集まって恣意的なゲームをしたら、それこそ時の運のジャンケンでしか無く、面白さは得られる対価のみに依存してしまう事になります。
故に、今回のハイローラーは普段は安価故に参加されないようなプレイヤーも一定数おり、逆にサテライトから通過されたプレイヤーもいるような、普段より経済的背景からの判断の異なる対人部分での上下幅が広がりました。それに伴い、各種のプレイヤーが日常体験しているプレイ環境と対戦相手を、トレースして具現化しながら判断と選択をしました。
多様性が試合を豊かにしたということですね。とても興味深いです。勝負を分けた局面があれば教えてください。
勝負を分けたとすれば、このイベントに照準を絞っていた事と、ファイナルテーブルの立ち回りの経験数だと思います。実際、ファイナルテーブルでは経験数順が、だいたい実際の順位になったように思います。
JOPTのトーナメントは大きく分類して、レイトエンドまでの序盤戦、ファイナルテーブル迄の中盤戦、条件変化が加速するファイナルテーブルそしてヘッズアップ、と3つの環境に分けられます。もちろん当然ながらその3分類の中でもグラデーションがつくわけでは有ります。
そして経験値は当たり前に序盤戦は誰しも多く、段々減っていく訳で、ファイナルテーブルやヘッズアップの経験値を高く持つプレイヤーは限られています。
その意味で、最後に1番長くポーカー環境にいて、1番多くの引き出しと経験を今回のファイナルテーブルで持っていたのが僕だったという事、それがまさに勝因であり、全体局面です。歳を重ねてしまった事による数少ないメリットですね。
PLOはボードの複雑さやナッツの変化が激しい種目ですが、そうした中で“冷静さ”を保つために意識していることはありますか?
1ハンドでプレイしない事。
細かな点ではなく、線を意識してプレイすることです。支点となる位置を何処にするかで終点は決まるので、始まりの位置とその間に載せるウエイトを作り調整する訳です。ちょっと解りにくいですが、これはトーナメントが始まる前からと、トーナメント中と、なるべくなら沢山作れた方が精度が良く、それもスキルです。
ご自身にとって、今回の優勝はどういう意味があると思いますか。
自己のスキル維持の確認と証明です。
今までも色々インタビューや皆さんに話をする中で、負けに重きを置く話や、面や線でとらえるような話をさせていただいてます。その中で、時には講習会をしたり、戦術の問いに答えたり、各種イベント運営の監修などをさせていただいている身としては、言葉や思いが現実とは違っていたり、ただの理想や妄想であったりしないよう、裏付けし続ける事は大切で責任に感じます。

今後、JOPTにおけるPLOやミックスゲームの発展をどのように描いていますか?
PLOやMIXの発展との質問ですが、僕らにとって対峙し付き合っているのは「ポーカー」であり、NLHやPLO、MIXはその中の一部分なのです。だから、ポーカー自体が発展すれば、自ずとそれらも発展すると考えています。
昨今は日本でも、ポーカーをより高度な競技として捉え、その文化的な価値や社会的な理解を広げていこうという動きが生まれつつあります。
アジアが注目する日本最高峰のポーカーイベントであるJOPTが、ポーカーの競技性の高さを広め、ポーカーを知らないプレイヤーの導入や継続ハードルを下げていっていただきたい。もちろん、グローバル化による文化的道徳の欠落、教育制度による精神成熟度の低下などの問題で、金銭トラブルや暴力などが弊害として表面化せぬよう、日本人の礼節や民度の高さを保ちつつ、ゲームに対する愛情をもって維持して行く事が前提です。これだけ秀逸な頭脳と精神力を使う優秀なゲームですから、人生におけるポーカー自体の価値を沢山の人に認めてもらえる様にしたいですね。
次に挑戦したいフィールドやイベント、企画があれば教えてください。
20年近く業界を見てきましたが、運営主導の発展は今後も揉み合いながら更新しつつ継続していって欲しいです。同時にプレイヤー主導の業界発展、貢献の仕組みを構築出来たら良いなと思い動いています。同じ思いを持つ仲間や、賛同してもらえるプレイヤー達と、直接的でも間接的でも良いので無理なくやっていけたらと考えています。

PLOの魅力にハマっていくために、まだ未経験のプレイヤーにどんなアドバイスをしたいですか?
自身とポーカーの可能性に蓋をしないようにしてほしいですね。
選択肢や分岐は多ければ多いほど、鮮やかで色濃く、短い人生や時間に価値を深めてくれます。どんなに考えてもどんなに突き詰めても終わりは無いのに時間は有限ですから、やるからには、制限なく自由に選ぶべきだと思います。沢山失敗したり引き返したりしてみて楽しみましょう。
これから日本のプレイヤーが海外(WSOP、EPT、APTなど)でPLOをプレイする機会が増えると思いますが、そこに向けた課題は何だと思いますか?
日本で上手くプレイ出来れば、海外では充分余裕を持てると思います。
せっかくなので、そう感じた時は今までより更に違うベクトルのプレイ感度を持つ、その対象を増やす、といった事に少しフォーカスしてみる良い機会だと思います。
もう一つアドバイスするとすれば、海外のトーナメントイベントに日本から行く意味は、お金を稼ぐ事ではありません。ここを間違えると、良い結果は決して得られないでしょう。自身の経験や時間に厚みを持たせる様に楽しんで欲しいです。何事もお金は後からついてきます。
最後に、これからPLOを始めたいプレイヤーや、shopmakerさんをきっかけにミックスゲームに興味を持った方々にメッセージをお願いします。
既存のポーカープレイヤー仲間へ。
⚪︎慎重かつ大胆にプレイせよ
10~15年くらい前にNLHばかりの時に良く言った言葉です。
以下、いつもプレイヤー仲間達に話している事。
⚪︎レベルを上げるという事の本質は、レベルを使い分けられる事
⚪︎スキルレベルは上下レイヤー、スキルベクトルは全方位
⚪︎マナーはルールより尊し
⚪︎遊びとは、するものでは無くてさせて貰うもの
⚪︎状況と状態をプレイすべし
⚪︎自ら次の判断を難しくするアクション選択をしない
⚪︎意思を持ち、照準を合わせ、感度を高め保て
⚪︎メンタルコミットを避けよう
⚪︎緩急でラッシュを作れ
⚪︎不要な自撮りをSNSに載せるな
⚪︎沢山気持ちよい負けを重ねよう、勝つ時に何倍も気持ちいい
⚪︎俺は脳も歳も既にリバーの縁、出来るだけ早く来て対戦してくれないと、対岸へ渡されてしまう
◽︎プリミックスプレイヤーへ
最初の相手に妄想し固執する勿れ。二桁くらいは付き合い抱いて抱かれて最後に振り返れば良いです。ゲームも人も次々生まれ、変化する。立ち止まらず選択肢を増やし続ける事こそがバットビートを無くしてくれます。
ポーカーを知り、グッドゲームを生きましょう。

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