
#01 NLH Main Event 優勝
SPADIE 39th メインイベント、ご優勝おめでとうございます。優勝された今の率直なお気持ちを教えてください!
実はすごく夢のようです。まだ優勝した実感が湧きません。Day 3、ファイナルテーブルはおろか、Day 2に進出できるかどうかも危ぶまれていました。実際にDay 2ではショートスタックで、かなりギリギリの通過だったのですが、どういうわけか重要な瞬間にハンドがしっかり入って、それが繋がってここまで来ることができました。本当に夢のようです。

今回のSPADIEのメインイベントは過去最多となる3,670エントリーでしたが、3,000人を超えるエントリーの頂点に立つということで、今までの経験とは違った思いがありますか?
すごく大きな意味があります。実は普段プレイするミックスゲームのようなトーナメントだと、参加者がどれほど多くても100人から200人程度で、1,000人を超えるようなトーナメントは私の人生で一度も経験がありませんでした。SPADIE会場の電光掲示板に「3,670人」という数字が書かれているのを見てすごく驚きましたし、だからこそ非常に達成感を強く感じています。
今回のトーナメントを振り返って、特に印象的だった良い場面はどんな場面ですか?
今回の大会で一番印象深かったのは、トーナメント時のテーブルの雰囲気ですね。みんなが敵であるにもかかわらず、誰かがオールインをした時にはショートスタックを応援したりとか、プライズを巡って競争するのではなく、みんなで「よしよし、まだまだ戦える!」という感じで、みんなが一つになって応援するというか、一体になっている雰囲気が海外とは違って、日本は「その場を楽しむんだ」という文化がすごくよくできていると感じました。

逆に、トーナメントを通して苦しかった場面を聞かせてもらえますか?
一番少し辛かった瞬間はファイナルテーブルです。ショートのプレイヤーが55でオールインをしたのですが、私がKKでスナップコールして「あ、これでスタックを大きく増やせるな」と思ったんです。ところが、そこでまさかのクワッズが完成してしまって……。ファイナルテーブルでスタックが半分になり、少し落胆した瞬間がありました。まあ、それがポーカーだとは思いますけどね!

それは苦しいですね。スタックが半分になってしまった時に、どのようにメンタルを保ちましたか?
スタックが半分になったとはいえ、それでもまだ20BBから30BBくらいは残っていたので、「耐えていればきっとスタックを増やせる瞬間がある」という考えで、そこからはひたすらフォールドをし続けました。常に自分自身に、「耐えろ、耐えろ」と思い続け、幸いにもショートになった時、毎回良いハンドが入り、タイミング良く耐えることができました。
ものすごい忍耐力ですね、メインイベントをロングランするために、特別な準備だったり戦略はありましたか?
メインイベントのような場合は、ブラインドストラクチャーが長いので、どうしても体力が本当に重要になります。Day 2が終わった後、私もすごく疲れていたのですが、終わってすぐ宿に帰って、ご飯を食べてすぐ寝ました。やはり体力が本当に重要だと思います。疲れると頭がよく回らなくなるので、睡眠が一番重要だと考えて生活していましたね。
ポーカーのプレイだけでなく、私生活から整える姿勢がとても参考になります! 戦略面で、プレイ中に意識したことはありますか?
私は理論をそこまでたくさん勉強したタイプではないので、すごく単純に戦略を立てました。「こういうレンジではオールインをして、こういうレンジならフォールドしよう」と。代わりに、途中で状況が悪くなった時に、その戦略から外れようとしてしまうのですが、それを我慢するのが大事だと思いました。途中で中途半端なハンドが入ってオールインを検討したのですが、今振り返ってみれば、もしその時オールインしていたら飛んでいた状況が結構多かったんです。それをうまく避けていけた、そういう忍耐が重要だったし優勝につながる要因であったと思います。

ファイナルテーブルはいかがでしたか?Day 1、Day 2と比べてご自身のプレイスタイルに変化はありましたか?
ファイナルテーブルに入った時は、アベレージより少し上でした。なのでレンジを狭めて、ショートが飛ぶ事を待ちながら耐えようというマインドでしたね。ファイナルテーブルに来ると、圧倒的なチップリーダーがいたので、はるかに消極的にプレイするしかありませんでした。チップリーダーの方がずっと圧迫してこられたので。それでショートが飛ぶ事でプライズアップになるので、すごく厳しかったですが、小心にプレイし続けました。
苦しい展開が続きましたね、今回のメインイベントで周りのプレイヤーで特に意識した方はいましたか?
最後にヘッズアップをした相手の方が、実は一番印象深かったです。バランシングをすごく上手にされていて、この方がブラフをしているのか、バリューベットをしているのか、本当に区別がつかなかったです。まるで50対50のコインフリップをしているようでした。今回は運に恵まれていた部分もありましたが、次に準備をするとしたら、彼のようにどうすればブラフとバリューベットを適切に混ぜて相手に区別させないようにするか、そういう部分を練習しないといけないなと思いました。とても楽しいヘッズアップでした。

最後迎えたヘッズアップはどうでしたか?
今回はとにかく運がすごく良かったと思います。ハンドがドミネートしている状況で、オープンエンドストレートドローでオールインしたのですが、ストレートが本当に出て……。事実上負けている状況から大きくひっくり返しましたし。相手の方がすごくプレイが上手だったのに、少し申し訳ないという気持ちも沸いてしまいました。
最終ハンドが、スタックが圧倒的にカバーしていた状況で、相手からのオールインをA3oでコールした時のシチュエーションや気持ちや理由を教えてください。
勝負が少し長引き、徐々に私のスタックが増えていたので、相手の立場としてはオールインをしてダブルアップをしなければならない状況でした。オールインをされた際に今までの相手のプレイ傾向から、アクションを見て「たぶんAはないんじゃないか」という読みもあり、コールしました。ハンドをショーした際にKQoが出てきた時はフェイバリットなので勝率が一旦は勝っている、「わあ、本当に私が優勝するんだな」という思いでコールしましたね。正しいアクションができて良かったとお思います。
今回のメインイベントの優勝を誰に一番伝えたいですか?
まずは両親に一番先に伝えたいです。最初にポーカーを趣味でやると言った時、やはり周りからの認識が良くなかったので反対などはあったのですが、両親は私を信じて「やりたいならやってみな」と言ってくれました。応援してくれた両親に素直に報告と感謝を伝えたいです。
ポーカーを始めたきっかけは何だったのですか?
中学生の頃、YouTubeでPokerStarsの動画を見たのがきっかけです。それを見ながら「すごく面白そうだな、自分が直接あれをやったら」と思って。それである時、大人になってXでJOPTを知ることになり、「画面で見ていたものを自分も直接できるということか?」と思って、偶然JOPTに行ったのが初めての経験で、それがすごく楽しくて、その後もこうしてたまに参加しています。

今回のSPADIEメインイベントの優勝をきっかけに、次の目標や挑戦したいことを教えてください。
次はJOPTのトロフィーを獲得したいです。いつまたトロフィーを獲れるかわかりませんが、永遠の思い出になると今回の優勝で確信しました。
これからポーカーを始める方、SPADIEで優勝したいと思っている人に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。
私は「チャンスはすべての人に開かれている」という言葉を申し上げたいです。私のような初心者でも、状況がうまく合えばいくらでも優勝できますし、ポーカーの扉はすべての人に開かれているので、軽い気持ちで来て楽しんでいただければと思います。
熱い思いが伝わってきました。本日は貴重なお話を本当にありがとうございました!改めましてメインイベント優勝おめでとうございます!

______________________________________________________________
◆おすすめ記事はこちら


___________________________________________________________