しょうさんインタビュー

Japan Open Poker Tour 2023 Tokyo #01

Event #01 NLH Main Event Winner

しょう 選手

ご優勝おめでとうございます!まずはしょうさんのこれまでのご経歴について簡単にお伺いできますでしょうか?

ありがとうございます。ポーカー歴はだいたい1年半くらいですね。元々YouTubeの仕事をしていることもあり、ポーカーの存在はなんとなく知ってました。海外のカジノで遊ぶことも多かったので、ポーカー卓を見かけるたびにずっと気になってはいたんです。そこから2年ほど前に上京したのをキッカケに、良い機会だからと友達に連れていかれた六本木のアミューズメントカジノでポーカーをはじめました。その日から自分でも驚くほどドはまりしちゃって、毎日十何時間もポーカーしっぱなしの生活が続きました。ハマったら徹底的にやらないと気が済まないタイプなので、仕事の傍ら夕方から朝までポーカー漬けって感じで、今になって社員にどう思われてたんだろうって心配になるくらい、ポーカーにのめり込んじゃってましたね。

そこからポーカーを始めて半年くらいは自己流でプレーしていたのですが、WPT MainでFTまで行ったものの優勝できず、このまま自己流でやっていくことへの限界を感じはじめていました。そんな時にミサワさんのコーチングの評判を聞きつけ、半年間週一でコーチングしていただくようになり、基礎的なことから自己学習の方法まで幅広く教えていただきました。そこから半年経って、一通りのカリキュラムが終わって卒業という形になったのですが、今でも海外でよくお会いするし、ご飯もいったりする仲なので、今回のJOPTを通して恩人のミサワさんに解説いただいたのは自分の中でかなり感慨深いものがありましたね。後からアーカイブを見返したんですが、だいぶ愛のある解説をしていただいていたので有難かったです。ミサワさんのコーチングを受けてから二週間くらいで国内の大会で優勝も出来て、今回のJOPTでも優勝することができたので、勉強の成果が形になったことも素直に嬉しかったです。僕の周りも影響されて10人くらいこぞってミサワさんのコーチングを受け始めたんですが、結構海外で成績を残している方も多いので、改めてポーカーという競技における学習の大切さを実感しています。

ミサワさんのコーチングが終わってからは、1年の半分くらいは海外に行くようになり、ラスベガス、マニラ、韓国、台湾、モンテカルロ、プラハなどいろんな大会に出場する傍ら、日本にいるときは毎日座学といった感じの生活を送っていました。こうして1年経った今でもまだまだ勉強することが多すぎて、今も4人くらいコーチングを依頼して、自分では勉強しきれない部分を補ってもらってます。

海外でも成績を残されているしょうさんですが、国内大会であるJOPTへのご出場されてみていかがでしたか?

前回は友達に誘われたのがキッカケでJOPT Online mainに出場して、なんとか優勝できたのですが、今回も同じ友達に誘われて出場することになりました。OnlineのDay1への参加だったのですが、レイト間際の7,8時くらいから始めて、Day1終了の11時くらいには17万点くらいまでスタックが伸び、そのおかげでDay2では安定したスタートを切ることができました。僕は基本的にあまり自分からオールインコールしないので、特に大きくぶつかる場面もなく、分散を抑えながらじわじわスタックを伸ばしていくような滑り出しでした。ただ、Day2で開幕早々いきなり15万点失って残り7BBくらいになってしまい、その時はさすがに心が折れかけましたね。

大会を通して印象に残ったシチュエーションがあれば教えてください。

Blind 1500/3000-3000
CO しょうさん (22) : オープン
BB(A7o): Call

FLOP 345
BB: Check
CO: Check
TURN K
BB: Check
CO: Bet
BB: Call
RIVER 6
BB: Check
CO: Bet
BB: Raise
CO: Call

相手のレンジに7があまりないことと、僕側のレンジにも2があまりないので、2ペアでKヒットに向けてレイズしているレンジもあるかなと思いコールを選択したのですが、そこで半壊してしまい、もうそこからはコツコツやっていくポーカーでなんとか耐え切ることができました。スタックがどれだけ減っても自分からプリフロでオールインすることもなく、2BBオープンしてフロップ勝負に持ち込みながら、1回もオールインすることなくちょっとずつスタックを増やして、Day2の後半には180万くらいまで回復させることができました。その後、終了間近で相手のブラフキャッチに成功して特大POTを獲得でき、スタックも300万点近くまで増やして、ここでday3への通過に大きく近づけたのがよかったかなと思います。

Blind 10000/15000-15000
BTN しょうさん (TT) : オープン
BB(34): Call

FLOP KcJd4h レインボー
BB: Check
BTN: Bet 30%
BB: Raise
BTN: Call
TURN 3h
BB: Bet 70%
BTN: Call
RIVER Kh
BB: All in(Pot size)
BTN: Call

相手のフロップチェックレイズして3発打ち切ってオールインできるハンドって何だろうって考えたときにあまりなかったんですよね。ボタンオープンに対してのBBコールなので、強いKxとかがほぼないと想定していて、Kxの弱いキッカーやJヒット、4ヒットはチェックコールすると思っていたので、ブラフはオープンエンドやガット、ダブルバックドアなどを本線に考えていて、バリューがあるとしたら4ポケか、KJ、あとはK4,K3とかでフルハウスになっているくらいなのですが、それも確率的にかなり絞られるので、2分くらい長考した結果、ブラフコンボのほうが多いなと思いコールを選択しました。結局相手のハンドは34だったんですよね。フロップおそらくバリューとしてチェックレイズをして、コールされたからターン以降はブラフに切り替えたんだと思います。3ポケとか4ポケのセットを押さえていることを利用してのブラフであれは本当にナイスブラフでした。かなりタフにコールしましたが、今大会ではこれが一番悩まされた場面かもしれないです。

これでDay3もチップリーダーとして安定的なスタートを切れるかなと思っていたんですが、この後なんかたまに出る変な発作みたいなプレーをしてしまったせいで、結果的に100万点くらい減らしてしまい、惜しくもチップリ通過は叶いませんでした。あとは自分的によかったなと思うところで言うと、Day3のFTになるまで一回も配信卓に座らなかったので、僕のプレイングが情報として出てなかったのが有難かったなと思います。僕自身もDay2が終わってから、明日同卓するであろうプレイヤーさんを研究するために帰ってからずっと配信を見返していたので、そういう部分は少し有利に働いたかもしれません。

大会を通して印象に残ったプレイヤーさんがいらっしゃれば教えてください。

やはり強かったのは7位入賞のKさんですかね。あの人は本当に強いので元々あたるの苦手なんですよ(笑)Kさんが飛んだ瞬間に僕の優勝確率がかなり上がったんじゃないかってくらい、厄介な相手でしたね。年末の麒麟児戦でも同卓したんですが、残り3人の時に全弾とられて結局Kさんが優勝していたので、今回FTで一緒になった時もスタックをかなり持ってたのでやりづらかったです。8番シートのともゆきさんもかなりアグレッションの高いプレイヤーさんだったので、スタックがショートじゃなかったらもっとやりづらかったなという印象でした。僕もKさんもともゆきさんも、みんなアグレッションが高いので単純にぶつかりやすいというのもやりにくさの理由ではありますね。 とはいえともゆきさんはもう何回も戦っているので、ある程度お互い掴めている部分があるのかなと思うのですが、Kさんは僕のアグレッションのさらに上を取ってくるプレイヤーさんなので、対応するのがめちゃくちゃ難しかったです。

あとはアントニーさんがエンターテイナーらしくハンドみせくれたりしながら卓を盛り上げてくださったんですが、意外とプレーは堅実でブラフ少ないというギャップも印象的で、ご一緒できて良い思い出になりました。

最後のヘッズアップはいかがでしたでしょうか。

最初は500万点対2500万点というだいぶ大差のついたスタック状況からのスタートでしたが、モトさんが丁寧にプレーされるタイプの方だったので、無理せず時間をかければじわじわ差が縮められるんじゃないかという思いでヘッズアップに臨みました。

対モトさんの戦略として意識していた部分として、モトさんはチェックレンジにもかなり強いところを混ぜてきている印象があったので、フロップCBを打ってコールされたら、そのあとはもう素直にチェックフォールドというラインをとっていました。ヘッズアップの序盤は想定以上にモトさんにハンドが入っていたし、そんなところもチェックに混ざってるんだという鮮烈な印象もあり、僕自身がバリューを取れそうな場面もだいぶ慎重にチェックせざるを得なくなってしまったので、結果的にバリューを取り逃してしまった部分もあったなと反省しています。あれは本当にモトさんにしてやられたなという感じですね。ただ裏を返せば、ベットやレイズ頻度が少なかったおかげで、本来ならコールせざるを得ない負けている場面もチェックで回避できたので、助かった部分もありました。そんな感じで序盤はモトさんのペースに合わせながらなんとか逆転の機会を伺っていたのですが、慎重なモトさんにも必ずブラフは存在するので、そこを見落とさずキャッチすることで大きかったスタック差も少しずつ縮めいくことができました。

Blind 200k/400k-400k
BTN しょうさん (8c7c) : オープン 800k
BB(Qd4d): Call

FLOP TcJd8d
BB: Check
BTN: Bet 400k
BB: Raise 1M
BTN: Call
TURN 4s
BB: Bet 1.3M
BTN: Call
RIVER 3s
BB: Bet2.5M
BTN: Call

モトさんと長い時間プレーしてわかったのですが、ヒット系はチェックして僕からのベットを引き出すことが多かったんですよ。対してレイズが返ってくる時はめちゃくちゃ強いヒット系か、強ドロー系のブラフが多く、フラッシュドローとかも全部チェックに回してコンボドロー系でレイズする傾向にあるなと考えていました。なのでこの時のレイズも、Qxのダイヤスートか9xのダイヤスートあたりでレイズしてきてるレンジがかなりあると思い、そのあたりのドローが滑っているであろう4s,3sが落ちたことでリバーも引き続きコールの選択をとりました。モトさんのブラフ頻度がそこまで高くなかったものの、やはり20%くらいはブラフに回されている印象もあったので、特にブラフが多いこのスポットで相手のバランスを考えてコールできたのは良かったかなと思います。

だいたい1時間くらい同卓しているとプレイヤーさんのタイプもわかってくると思うのですが、元々僕が得意としているのが、そういったプレイヤーさん達の傾向を掴んで、いかに利益を取るかというプレイングでした。ポーカープレイヤーが多く勉強しているGTOは、いかにミスをせず相手に搾取されないかという守りの部分の戦略だと思うのですが、みんながGTOに沿った同じプレーをしているわけじゃないので、ただそれに沿ったプレーをしたところで損失は減らせても利益を増やせるわけじゃないんですよね。 なのでよく人のことを観察しつつ、その人のプレーにあわせた期待値に沿ったプレーラインをとっていくことが大切だと思っています。本来はバランスよくプレーしていくのがポーカーの基本なので、だいぶ偏ったプレーになってしまったなと反省する部分もあるんですが、今回のヘッズアップもまさにそこが大きなスタック差を巻き返せた一番の要因だったんじゃないかと思います。

逆に最後のハンドは、モトさんから見た僕の印象値を使っていったプレーがハマった印象ですね。

Blind 200k/400k-400k
BTN しょうさん (5c5h) : オープン 800k
BB(7d8d): Call

FLOP 9h7s5s
BB: Check
BTN: Bet 500k
BB: Call
TURN 2h
BB: Bet Check
BTN: Bet 3M
BB: Call
RIVER 9c
BB: Check
BTN: All-in
BB: Call

フロップでボトムセットになったのでにジオメトリックなベットサイズをしてリバーオールインまで持っていこうと考えていました。ターンで2hという良いカードが出た時に、ポットベットの300万点か120%の360万点のどちらで打とうか考えていて、このポットベット、オーバーベットができるのは、オーバーペアやセット、97ツーペアのような強いハンドか、JThhやT8hhのようなモンスタードローに分かれると思うのですが、僕は今まで割と後者で同じプレイラインを取ってキャッチされていたので、そこを活かして本当に強い時にこのプレイラインを混ぜて、1400万点のスタックから300万点のpotベットをして、リバーでSPR1.2くらいのサイズにしてオールインまでいこうというプランニングでした。ただ相手も87sという強いヒットドローを持っていて、且つこのポットベットがどういう意味かもよくわかってらっしゃる方だったので、リバーでドローが完成しないかつ、セットや2pのコンボを減らす9が出てペアった事で、僕が強いハンドで打っているコンボが相手目線からしたらめっちゃ減ったのでコールしてもらいやすくなったんですよね。ターンでポットベットに対してコールできる相手のレンジを考えると、オッズにあわないドローなどはほぼ消えて、モトさんはかなりの確率で9か7を持っていて、リバーのカード的にブラフキャッチにしてもらえると考えてターンに引き続きポラライズしてポットオーバーオールインをしました。

今まで配信外で僕のブラフをさんざん見てきたモトさんだからこそ通用する、積み重ねてきた印象値と自分のリーディングがハマったプレイングができたので、本当に悔いなく良いヘッズアップをさせていただきました。3日間連日長丁場のトーナメントでしたが、まだまだあと5時間くらいずっと続けてたいと思うくらい楽しいヘッズアップだったので、モトさんとまたどこかで同卓できるのを楽しみにしています。

ヘッズアップで対戦したモトさんからのコメント

しょうさんの印象やプレイスタイルについて教えてください。

とても体力と精神力のある方だと思います。
個人的には三日間ポーカーを朝から夜まで打ち続けること、配信卓に座ることも初めての経験で、心身共に疲弊しており、正直そろそろ終わりたいと思っておりましたが、ヘッズアップの際に、「まだまだゆっくりやりましょう」ととても元気にされており、このまま長引いたらDAY4があるのではないかと恐怖を感じたことを覚えています(笑)
個人的な印象になりますがやはりしっかりと勉強された知識が基礎としてあり、それをさらに発展させたポーカーをされているように感じました。プレイスタイルは、レイズも多用するなど相手に楽をさせず、本手とブラフを適度に組み合わせるうまくバランシングされたスタイルだと思います。

そんなしょうさんのプレイスタイルに対してどのようにプレイされましたか?

正直、個人的にはヘッズアップの経験がほぼ無かった為、相手のスタイルに合わせて自身のプレーに活かすような余裕は全くありませんでした。
ただ、勝負所ではとても堅実な相手だという印象は受けていた為、普段はしたことがないようなブラフも使ってみたりして、相手にこちらがどんな手なのかなるべく読まれないように進めていったかとは思います。

最後にしょうさんへ何かコメントがあればお願いします。

しょうさんご優勝おめでとうございます。大会ではお相手いただきましてありがとうございました。
ポーカーを続けていれば、またご一緒できる機会もあるかと思いますので、その時を楽しみにしています。
今後のさらなるご活躍をお祈りしています!

最後にしょうさんの今後の目標や、次回大会に向けてのメッセージ等あればお願いいたします!

去年は国内で1000万くらいのプライズを獲得したのですが、海外渡航費やトーナメント出場費で全部なくなってしまったので、また今回のプライズも海外への挑戦に使わせていただく予定です。ヨーロッパでのポーカーはなかなか辛い印象もあるのですが、1200エントリーという国内最大規模のJOPTで優勝できたことで、自分がこれまで努力してきたことに対する自信の裏付けが得られたかなと思うので、もうそろそろEPTやWSOPなどの何かしらの海外トーナメントで優勝できるようがんばりたいと思います。コーチング代も決して安くないのですが、自分自身で身に着けたスキルは一生消えない財産だと思っているので、良い投資になったと思えるよう、実績を残して回収していきたいですね。これからも毎日の勉強時間を自信に変えて、もし次回もJOPTに出場できた際は、オンラインとライブメインの2連覇にとどまらず前人未到の3連覇を目指してがんばりたいと思います!あと個人的に大人になってこんな大きな大会で優勝して感動を味わえることも、友達が集まって応援してくれることもなかなかないと思うので、ポーカー仲間と大人の青春を味わいたい方は、ぜひ次回のJOPTに参加してみてください!

しょうさんのTwiiterはこちら
https://twitter.com/sinkaifish

JOPT 2023 Tokyo #01 Digest公開中!
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