APT Incheon 2025 #72 Mini Main Event 優勝 Keigo Kubo さん

APT Incheon 2025

#72 Mini Main Event

Keigo Kubo さん

APTミニメイン優勝、おめでとうございます。優勝した瞬間の心境や、優勝後の感想を教えてください。

1000人規模のトーナメントでの初優勝で、何事にも代えがたい喜びでした。朝起きて「夢じゃないよな」と、Xを見たりトロフィーを確認したりしていました。優勝した実感や喜びを噛みしめるような感覚でした。

SNSでの反響はいかがでしたか?

フォロワーも増えましたし、大会で見かけたことはあるけれど話したことがなかった方々からも、会場やSNSでお祝いの言葉をいただき、とても嬉しかったです。

優勝後、日常やポーカーへの向き合い方に変化はありましたか?

大きな変化はありません。でも、優勝した勢いで参加する予定のなかった大阪のスーパートーナメントにも行き、そのままでハイローラーで2位を獲りました。流れが来ていると感じました。

そうなんですね。日本の大会では入賞されることが多い印象を持ちましたが、いかがですか?

基本的にインプライズしないことはほとんどありません。収支は別ですが。APTは今回で3回目で、初回はメインイベントに約2000人いて20位。FTも見えていたので、悔しい飛び方でした。次のゴールデンウィークのAPTは、メイン2エントリーとゾディアックという2 Dayイベントで散々に飛び続け、インプライズゼロ。自分でもミスだと分かるプレーが多く、全くダメでした。途中でメンタルが折れ、帰国を4日ほど早めました。帰国してそのままJOPTに参加して、そこでもインプライズゼロ。散々なゴールデンウィークでした。なので今回は、自分で分かるミスをしないことを意識して、雪辱を果たせたという感じです。悔しさをバネにできたと思います。

ポーカーを始められたきっかけや勉強法について教えてください。

実はポーカー好き仲間のチーム「92o」を作って所属しているんです。昨年のJOPT北海道でたまたま仲良くなったメンバーで結成した軍団です。社会人サークルのような雰囲気で、皆とても勉強熱心で、僕より長くやっている上手な人ばかり。「自分も頑張んなきゃな」みたいな、良い刺激を貰える、良い環境に恵まれているなと思います。
ポーカー歴は1年8ヶ月くらいです。いまの「92o」のメンバーでもある、大学の後輩のめちゃりんに「ポーカーやろう」と誘われ、アミューズに通い始めたのがきっかけですね。最初はゆるくリングを打っていましたが、「トナメのほうが脳汁出て面白いよ」と言われてJOPTサテライトなどに出始めるようになりました。続けるうちに確かにトナメのほうが面白いと感じるようになりました。

現在はトーナメント中心に打つような感じでしょうか?

そうですね。基本的にトーナメント中心です。海外遠征時にカジノでキャッシュゲームがあればキャッシュゲームも打ちます。日本のポーカールームに行くときは、「当たり前の人」ことShion君が店長のLuckSpiderさんや、UPsさんに顔を出すことが多いです。

ミニメインに参加するにあたっての心構えや意気込みはどのようなものでしたか?

実はAPTはフルスケジュールで参加したんです。最初のミステリーバウンティーはインプライズしましたが、アベレージの1.5~1.7倍持ちでDay2に入ったのに、3連続のプリフロップオールインで負け、バウンティは1枚も引けず終了。メインも無事インプライズしたものの、直後に飛びました。
このシリーズ前半はフェイバリットのオールインをことごとく落としていたので、ミニメインは「上振れてくれ」という祈るような気持ちで臨みました。ブラフのオールインは一度もコールされず、バリューのオールインはおよそ半分くらいコールをもらえました。相手がちょうど良いハンドを持っている場面が多かったのだと思います。

その中で印象に残っているハンドはありますか?

Day 1のラストハンドとDay 2の最初のハンドは忘れません。
まずDay 1ラスト。インプライズ確定でDay 2に進む状況、バブルファクターが非常に大きい中、相手はUTG+1オープンからの9ポケ。僕はBBディフェンスでK3sでした。
フロップは7-7-9で、相手はフルハウス。僕は相手をカバーしており、フォールドエクイティがかなり取れると考えて、通常ならありえないドンクを選択。バックドアフラッシュドローがあったので、やんちゃに打ち始めました。
相手はコール。ターンQでも、カバーしている優位を活かし、コールがしんどいサイズでダブルバレル。これもコール。これは終わったと感じました。リバーでQがもう一枚落ち、Q-Q-7-7-9のダブルペアボードに。ここで完全にティルトしてスナップでオールイン。相手のフルハウスが、タイムバンクを使い切ってフォールドという奇跡が起きました。
プレイラインは最悪ですが、噛み合わせは最高。大きなポットを取り、良いスタックでDay 2へ。結果、Day 2のスタートはアベレージの2倍でした。

すごいですね。Day 2開始時点でほぼチップリーダーだったんでしょうか?

全体で10番目くらいだったと思います。Day 1はABCの3つあって、A組はブラインドが長くチップが多い人が多かった印象です。Day 2最初のハンドはBBでKK。UTG+1から前回JOPTで上位だった、きくりんさんがオープン、1人コール。僕はやや大きめに3ベット。きくりんさんは、僕がBBからスティールで3ベットしていると読んだのか、5ポケでアベレージの少し上をオールインしてきました。コールドコーラーはフォールド。KKで喜んでコールしました。ただ、5ポケのセットは最悪なので、ここでも祈るとフロップでKが開き、そのまま勝利。アベレージの2.5倍ほどになり、そこから優勝まで一度もアベレージを割りませんでした。

すごいですね。その段階で優勝を意識しましたか?

その時はまだ油断はできないと考えていました。アベレージが20BB台と浅く、丁寧にプレーすることを意識していました。Day 1ラストで雑なプレーが偶然うまくいったので、「こっから先雑なことは絶対できねえぞ」と思ってプレーしていましたね。

きくりんさんとはその後、そのハンドについて話しましたか?

はい。「けいごさんだったからブラフだと思ってオールインしたらKKだった」と笑って言っていました。その後彼はAPTハイローラーで走っていたので、心に余裕があったのではないでしょうか。

ファイナルテーブル到達時の心境とテーブルの雰囲気はいかがでしたか?

ファイナルテーブルに到達した段階で、僕は全員を大きくカバーしていました。ラスト2テーブルで3betや4betを打って抵抗してくるプロの方もいましたが、頻度は高くなく、かなりフォールドエクイティを取りやすいフィールドだと感じていました。
FTでもチップリの優位性を生かし、スティール目的の3ベットやオープン頻度を上げてスタックを増やしていきました。均衡よりもかなり広げて打っていたと思います。3betが来たら4betとしっかりハンドを選んで返しながら、甘く見られないよう意識していました。

優勝が決まった瞬間はいかがでしたか?

ヘッズアップはしておらず、残り3人でディールし、その時点で優勝が決まりました。僕のスキルエッジが最も出たのはディール交渉です。賞金テーブルがトップヘビーだったので、ディールは強く意識していました。実力的にも勝てそうだとは感じていましたが、確定できる賞金が大きかったので交渉を選択。3位の方からディール提案があり、ICM計算をしました。僕は総スタックの半分強を持っていましたが、ICMだと1位賞金から大きく削られ、約250万円下がる計算。普段会社経営で交渉の機会も多いので、「ICMどおりなら続行したい。こちらの条件なら今すぐ決めたい」と、粘り強く交渉しました。結果、ICM値より約100万円上乗せ、トロフィーもその場で確定。かなりタフな条件を飲んでもらえたので嬉しかったです。

皆さんすぐに応じましたか?

はい。FTではショートを殺さないようにしながら、ミドルの2人にはオープンに対して3ベットを多用していたので、歴の浅そうな2位の方は、やや心が折れている印象もありました。約900万円を得られる計算で、快く応じてくださいました。もう1人の方は相対的にICM理解が深そうだったので、ICM値に近い値を提案し、納得していただきました。お二人とも中国の方で、英語で交渉しました。英語は流暢ではありませんが、熱量で伝わったと思います。交渉の場でもアグレッションは手放しませんでした。

今までのプレースタンスや経営で培ったプレゼン能力のどちらもが光った瞬間でしたね。強く印象に残るシリーズになったかと思います。

そうですね。実はプレーに集中するために使ったアプリがあるんです。友人のYEBISUさんが作った「ポーカートーナメントトラッカー」というアプリです。トーナメント中のアクションやスタック推移を記録できます。集中力が切れがちな自分でも、逐一記録することで最後までトーナメントと向き合えました。今回、「92o」のメンバーで勉強量がずば抜けているありぺーに、メインバブル前後の反省に付き合ってもらって、ミニメインは「戦うバブル」にすると決めて臨んだんです。madness桂からは「プリフロでのアグレッションを持ってスチールを狙い、やり過ぎないように」と助言をもらいました。仲間の言葉とアプリのおかげで、集中を切らさず戦えました。

そうだったんですね。仲間とアプリでしっかり準備されていたんですね。

はい。アプリは無料で使えます。気が散りがちな自分がトーナメントと向き合うのに、とても良いアプリだったのでみなさん是非使ってください。
※記事の最後にリンクあり

優勝賞金の使い道はお決まりでしょうか?

前回20位のときもやりましたが、我が家のように親しんでいる六本木の生バンドカラオケで祝勝会を開きます。僕のおごりで仲間内で開きたいなと思っています。残りは使い切れないので、底上げできたバンクロールを活かして、参加するトーナメントの平均バイイン額を上げたいなと考えています。

今後の参加予定はいかがでしょうか?

9月にあるバイイン1万ドルのAPTチャンピオンシップは、せっかくなので出たいですね。WSOPは仕事の都合が合えば出たいです。

海外トーナメントに挑戦したい方へのメッセージをお願いします。

海外トーナメントに来て痛感していることなんですが、メンタルが崩れるとプレーが国内にいる時よりさらに悪化します。今回は1週間から10日の滞在だったのですが、7日分のサトウのご飯と味噌汁を持参しました。全部は食べていないのですが、メンタルが崩れそうなときに日本食で立て直せました。長期滞在なら日本食を持って行った方がいいよということを伝えたいです。また、参加してる日本人プレイヤーは気さくで、名前を聞くようなレギュラープレイヤーの方も親切です。リスペクトを持って接すれば仲良くなれ、友達が増えます。つらい場面でも話し相手がいるとメンタルの回復につながるので、現地で日本人の輪にも積極的に入ることをお勧めします。

最後に、どんなプレイヤーとして認知されたいですか?

アグレッションが高く、「おいおいそんなところにブラフ作るんかい」という場面でブラフを打つような、派手なプレーを見せるプレイヤーとしてキャラ立ちしていきたいです。捕まりやすくなるので嫌ではありますが、キャラクターという風に認識いただけたら面白いかなと。

貴重なお話、ありがとうございました。久保さんから、お世話になった方々へのスペシャルサンクスをいただいておりますので、Xアカウントをご紹介いたします。
また、久保さんおすすめのアプリのリンクもいただいておりますので、強くなりたいポーカープレイヤーポーカーファンの方はぜひインストールしてみてくださいね!

【スペシャルサンクス】

めちゃりんさん:
https://x.com/metyarin

ありぺーさん:
https://x.com/aripei_poker

桂翔さん:
https://x.com/ProGuild_sk

エビスさん:
https://x.com/YEBISU_NLH

【アプリ】

ポーカートーナメントトラッカー:
https://x.com/YEBISU_NLH/status/1928285910527004674

久保さん、改めて優勝おめでとうございます!今後のご活躍も楽しみにしております!

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Spadie