
APT Taipei 2025
Main Event
Akira Takasugi選手
まずはAPT Taipei 2025メインイベント優勝、おめでとうございます!本当にすごい快挙ですね。率直なお気持ちを教えてください。
ありがとうございます。優勝が決まった瞬間は…意外と冷静でした。というのも、FTに入ってからは大きなリスクをほとんど抱えることなく進めていて、流れ的にも「このままいけば勝てるかもしれないな」という手応えがずっとあったんです。どちらかというと、Day4が終わって最終日に進出が決まった瞬間のほうが一番興奮していたかもしれません。最終日になってからは自信を持ってプレイできていました。
なるほど、冷静だったとは意外です。優勝の手応えは、結構早い段階からあったんですか?
そうですね。Day4入った時点で48人くらいだったんですけど、賞金のペイジャンプが100万円単位とか大きくなっていて、その影響で他のプレイヤーがかなり固くなってるのを感じました。戦略的にも固くプレイすべきところなのですが、適正よりも固くなっていると思っていて、ブラフ3Betとかは飛んでこないなという印象でした。
僕はそこを見て広くオープンしたりしてちょっとずつスタックを増やしていきました。逆にその日はオールインの局面をほとんど作らず、リスクを抑えてチップを積み上げられた感覚がありました。そこで他のプレイヤーの傾向もつかめてきてたので、自信を持てました。
しっかりと状況を読み切っていたんですね。今回のMain Eventは5日間という長丁場だったと思いますが、特に印象に残った場面はありましたか?
実はDay1の序盤で飛びそうになっていて、スタートの4万点が4,400点まで減ったんです。でもそこからオールインを3回連続で勝って、当時のアベレージの2倍にあたる20万点まで一気に復活しました。その後はほとんどアベレージ以上のスタックを維持できていて、トーナメントとは思えないほど安定した感覚でプレイできました。飛びそうになったのはその序盤だけでした。

序盤からそんなドラマがあったとは…!海外トーナメントではこれまでも上位入賞されていますが、今回の優勝はやはり特別なものだったんでしょうか?
本当に特別でした。トーナメントのヘッズアップでは何度も負けていて、たぶん6回は戦ってるんですが、勝ったのはJOPTオンラインの1回だけだったんです。そんな中で、APT Taipei 2025 という過去最大規模の大会でそのジンクスを乗り越えられたのは、自分にとって本当に大きな意味がありました。自信にもなりましたし、「やっと報われた」という感覚もあります。
ジンクスを乗り越えての優勝、本当に感慨深いですね。優勝から2週間経ちましたが、周囲の反応や日常で何か変化はありましたか?
メッセージはたくさんいただきましたね。それは本当にうれしかったです。あとは、これまではただの日本人プレイヤーだったのが、"APTを優勝した人"っていう認知をされて、アミューズメントに行ったときに声かけられることが多くなりましたね。
やはり「優勝者」としての存在感が増してきてるんですね。国内と海外では、プレイの比重はどちらの方が大きいですか?
国内ではほとんどプレイしていません。ほとんど海外ですね。去年・一昨年は年に10回くらい遠征していましたが、今年は回数を減らして、その分1回の遠征を長めにしようと思っています。仕事と両立できる範囲で行ける海外、特にアジアがメインです。年末年始など長期休暇が取れるタイミングで行きたい大会があれば、ヨーロッパなどにも行けたらと考えています。

なるほど、遠征スタイルも変化してるんですね。海外と日本のトーナメントで、プレイヤーの傾向など違いを感じることはありますか?
やはり海外の方がアグレッシブなプレイヤーが多いですね。特にオールインに対する気合の入り方が違う印象です。日本ではあまり見ないタイプのプレイが多いですが、だからといって「海外プレイヤーだから」と先入観で決めつけるのは危険だと思っています。ちゃんとそのプレイヤーの傾向を見て、「この人は本当にそういうスタイルだな」と思ったときは、多少リスクを取ってでも戦うようにしています。その方が期待値が高いと思っているので。
たしかに、プレイスタイルの違いには注意が必要ですね。では今回APT Taipei 2025に参戦するにあたって、何か特別な準備をされたのでしょうか?
トーナメントの勉強を改めて行いました。特に、入賞前後やファイナルテーブル直前など、バブルファクターが大きくなる場面の戦略を重点的に勉強しました。方法としては、GTO Wizardのトレーナー機能やブログ記事、そしてNoteなど有料コンテンツも活用しました。良い情報にはお金を惜しまず出すタイプなので、数万円程度なら投資と思って使っています。生涯ROIが1%でも上がれば元が取れるので。
非常に実践的な準備ですね。長時間のトーナメントでは集中力の維持も大変だと思うのですが、何か意識していることはありますか?
あまりないですね(笑)。降りてる間はけっこう暇なので、人のプレイをぼんやり眺めてます。ただ、気になるプレイや特徴的なアクションがあれば、そのときだけ集中する感じです。なので、10〜12時間くらいのプレイ時間でもそれほど疲れません。

自然体でプレイされているのが伝わってきます。ところで、今回の賞金は日本円で約9,000万円だったと思いますが、使い道はもう決めているんでしょうか?
正直、そんなにあれこれ買いたいっていう欲はないんですよね。APT前からPC買い換えたいと思ってたのでそれは買いましたけど...。あとは友達と自分持ちで色々ご飯いったりですかね。それ以外の9割以上の賞金は株式投資に回すと思います。
堅実で素敵ですね(笑)。ちなみに、キャッシュゲームもプレイされているんですよね?
はい、むしろキャッシュゲームの方が圧倒的に好きですね。旅行のついでにJOPT Sapporoに出たりすることもありますが、基本はキャッシュゲームです。ただ、海外遠征だと飛行機代などコストがかかるので、短期間でキャッシュゲームだけで回収するのは厳しい。そう考えると、分散は大きいけど一発が狙えるトーナメントに出るという選択になります。ただ、1か月くらいの長期遠征ができるなら、トーナメントに出ずにずっとキャッシュゲームだけやっていたいですね。
そういえば、JOPTやAPTでピンクのFish Tシャツを着ていらっしゃったのが印象的でした。あれには何か意味があるんでしょうか?
はい(笑)。僕の服は、無地でどこでも着ていける服と、ポーカーやってると一目でわかるTシャツの2種類しかなくて、トーナメントのときは後者を選ぶようにしています。他にも「ATM」って書かれてるTシャツとか、「このTシャツはあなたのお金で買いました」と英語で書いてあるTシャツとかも持っていて、気分で使い分けてます(笑)。だいたい1日1回は誰かに反応もらえますね。
ユーモアが効いていて、場の雰囲気も和みそうですね。では、今後の目標などがあれば教えてください。
トーナメントにたくさん出るタイプではないんですが、11月のAPT Championship Mainのシートをいただいたので、そこをしっかり走りたいです。あとは、今大会のトロフィーは立体のライオンでしたが、平らなライオンのデザインのトロフィーが個人的に好きなので、それを取りに行けたらと(笑)。基本的には、今後もキャッシュゲーム中心になると思います。

WSOPへの参加は今のところ考えていらっしゃいますか?
WSOPはすごく興味があります。でも長期遠征になってしまうので、会社員の立場だとなかなか難しくて…。現時点では予定はありませんが、人生で一度は必ず行きたいと思っています!
やはりWSOPは特別ですよね。いつか実現する日を楽しみにしています!それでは、ポーカーを始めたきっかけについて改めて伺ってもいいですか?
ポーカーを始めたのは2021年の2月です。もともとギャンブル系のことには興味があったんですが、国内の競馬やパチンコ、パチスロにはまったく興味がなかったんです。むしろ身近すぎるからこそ、関心が持てなかったという感じですね。
一方で、映画などでかっこよく描かれているカジノの雰囲気にはすごく憧れがありました。そんなときに、国内にもアミューズメントカジノがあることを知って、そこに行ってみたんです。最初に行ったお店では、バカラ、ルーレット、ブラックジャック、ポーカーができる場所で、友達に誘われて一緒に行きました。
最初はブラックジャックをやったんですが、その友達がポーカーもやっていて、「ギャンブル好きならポーカー向いてると思うよ」と勧めてくれたんです。実際にやってみたら、「あ、これ面白いかも」と感じて。
もともとポーカーは100%運のゲームではなく、実力が問われるゲームだということは知っていたので、「ちょっと勉強してみようかな」と思いました。最初に読んだのはフィル・ゴードンの緑の本で、それを参考にプレイしてみたら、まだうまくはなかったけど、最低限は戦えるようになりました。
それからは、勉強すればするほどできることが増えていくのがわかって、「もっと勉強してみよう」と思うようになりました。勉強の熱には波があるものの、今もゆっくり続けているという感じです。
その友達とは、今でも一緒にポーカーをされているんですか?
はい、もうずっと一緒にやってますね。今でも変わらず一緒にプレイしています。自分は国内の大会にはあまり出ないんですけど、タッグチームトーナメントには、時間が合えば積極的に出るようにしています。そのタッグチームも、だいたいその友達と一緒に出場しています。
ただ、海外には一緒に行ったことはないですね。お互いに「行きたいね」という話はしてるんですけど、仕事の都合がなかなか合わなくて。スケジュールを突き合わせてみても、なかなかタイミングが合わないことが多いので、まだ一度も実現していないんです。でも、たぶんいつかは一緒に海外にも行くと思います。

素敵な関係ですね。ちなみに、ポーカーの勉強って苦じゃなかったんですか?
いや、もともと勉強自体は全然好きじゃないんです。どちらかというと苦手というよりやる気が続かないタイプなんですよね。でも、ポーカーの勉強は不思議とできるんですよ。とはいえ、毎日欠かさずやるようなストイックなことはできていなくて、やる気に波があるのも事実です。それでも、普通の勉強と違って、ポーカーの場合は「今、やろう」と思ったときにすっと机に向かえるというか、椅子に座れる感覚があります。それはやっぱり、興味があるからというのもありますし、もう一つは“成果がすぐ目に見える”からじゃないかなと思っています。
学問の勉強って、たとえば模試で苦手な分野が出たりすると、どれだけ頑張っても点数が伸びないことってありますよね。でもポーカーは、ハンド数を多くこなせば、比較的短期間でも成績の改善が実感できるんです。そこが大きな違いですし、やる気につながっています。
あとは、純粋にポーカーというゲームが好きだからですね。好きなことを勉強しているっていうのが一番大きいと思います。それに加えて、「あ、ここ最近勉強したところの内容だ」っていう場面が実際のプレイ中に定期的に出てくるので、そういう瞬間に「勉強してよかったな」と感じられます。いわば小さなゴールが頻繁に用意されているような感覚があって、自然と助けられているんだと思います。
成果が見えるというのは確かにモチベーションになりますよね。
では、最近ポーカーを始めた方に向けて、「大会で勝ちたい」「キャッシュゲームでもっと成績を上げたい」と思っている人におすすめの勉強法はありますか?
自分が参考にしているものそのままなんですが、GTO Wizard Blog は本当におすすめです。できれば全部見てもらいたいくらいです。ポーカーは、誰かが「自分は強い」とアピールしていても、それが本当に実力に基づいているか初心者には判断しづらいんですよね。だからこそ、最初は信頼できる情報源に触れることがすごく大事だと思っています。
GTO Wizardはその点で非常に信頼できますし、自分もずっと使っています。記事や動画を見て、自分なりにでもいいので理解していくことが、上達の一番の近道だと思います。コンテンツは英語が中心ですが、日本語版もあります。ただし、翻訳が間に合っていない部分も多いので、もし英語ができるなら英語版を見るのがベストです。まずはそこから始めてみるのをおすすめします。
非常に参考になりますね!信頼できる情報源から学ぶことの大切さ、改めて実感しました。
それでは最後に、この記事を読んでくれている方や、ポーカー仲間へのメッセージがあればお願いします。
そうですね、まずポーカーって本当に「勉強したら成果が出るゲーム」だと思っています。それは短期的に見れば波もあるし、下ブレもあるかもしれませんが、長い目で見れば必ず返ってくる。だから、つらいときがあっても、諦めずにプレイし続けてほしいなと思います。
これは今プレイしているすべてのポーカープレイヤーに伝えたいメッセージですね。
そして、ポーカーを始めるきっかけになった友達に対しては、本当に長い付き合いになっていて感謝しています。これからも変わらず、一緒に楽しく遊び続けていけたら嬉しいです。「これからもよろしく!」という気持ちですね。
改めまして、APT Taipei 2025 Main Eventの優勝、おめでとうございました!
今後のさらなるご活躍も、心より楽しみにしています!

SHINJUKU POKER FES | 6/27 - 6/29 |
JOPT 2025 Tokyo #02 | 7/17 - 7/21 |
TPC Season 14 | 7/24 - 7/27 |
6/13(金) | 15:30 | 【JOPT】1卓限定サテライト | EGP EBISU |
6/13(金) | 17:30 | 【JOPT】21枠バズーカーサテライト | KKLIVE POKER SHIBUYA |
6/13(金) | 18:00 | 【総額6万コイン】Daily NLH | GoodGame Poker Live |
6/14(土) | 11:30 | 【総額6.5万コイン】Holiday Big | GoodGame Poker Live Shinjuku |
6/14(土) | 13:00 | 【総額5万コイン】DEEP STACK | 秋葉原カジノクエスト |
6/14(土) | 18:05 | 【総額4.75万コイン】Mystery Bounty | KKLIVE POKER SHINJUKU |