【EPTプラハ優勝】「勝って当たり前だと思っていた」Shoが語る、8,000万円獲得の舞台裏

【EPTプラハ優勝】「勝って当たり前だと思っていた」Shoが語る、8,000万円獲得の舞台裏

優勝したShoさん 初めまして。ポーカーMCの「りい」です。 今回はEPTプラハの「#25 €2,700 PokerStars Open High Roller」 という参加費約50万円のイベントで見事優勝し、賞金約8,300万円を獲得した Shoさん に、 優勝までの過程や、どういう想いでポーカーをしているのかをインタビューさせていただきました。

優勝インタビュー

【りい】
Shoさん、EPTプラハOpen High Roller優勝おめでとうございます。 優勝から一晩経った今の気持ちと、トロフィーを取った時に最初に浮かんだ気持ちを教えてください。
【Sho】
インパクトに欠けるかも知れないんですけど… 正直優勝できると思っていたため、嬉しくはありましたが「イメージ通りやったな」という納得感の方が強かったです。常にイメージトレーニングをしていて、それが現実になった感覚がありました笑 ただ、EPTの「縦型」のトロフィーが取れたのは本当に嬉しいです。 また、今年の海外トーナメントの成績が伸び悩んでいたので、大きな賞金獲得で記録を伸ばせたのが、安心したという気持ちはありました。

【りい】
優勝までの中で、流れが変わったと思うようなハンドなどはありましたか?

【Sho】
実はDay1の時から、流れが良くて AA vs AKの大きなプリフロップオールインで勝って、そのままアベレージの3倍で通過しました。Day2では一度ターニングポイントがあって、負ければほぼ敗退してしまうフリップで、自分のハンドは77、相手がAQの状況。 フロップでAが落ちて、もうダメかと思ったんですがリバーで7を引いて大きなリードを取れました。 それ以降は、印象的なハンドは特にないんですが、そのままチップリーダーとしてFTへ行くことができ、そのまま綺麗に優勝したという感じです。 優勝したハンドは自分がA2で相手がAKだったんですけど、気持ちが 「勝って当たり前」と思っていたので、そのまま2が落ちて勝利した時は、イメージ通りやったなと思いましたね(笑)
【りい】
優勝する時特有の流れですね(笑)今回はEPTのハイローラーだったと思いますが、日本のJOPTなどのトーナメントと比べて、雰囲気や自分へのプレッシャーの違いは感じましたか?
【Sho】
全くなかったです。 自分はどこでも真剣にプレーをしているので、JOPTやデイリートーナメントに出ている時と感覚は同じでした。 「8,000万円獲得すごい」って思われるかも知れないんですけど、自分としてはこれまで勉強してきたことの検証をして、それが結果へつながったことへの納得感があります。 なので、金額への興味やフィールドへの緊張は特になかったです。自分が積み上げてきたものを信じていたので、迷うことなく戦えました。
優勝したShoさん
【りい】
今回はEPTへの参加でしたが、海外で戦うことで意識していることはありますか?
【Sho】
はい。こちらは逆にフィールドごとに戦う時は考えるべきがあると思っていて、APTやWSOPなどの大会でも、その場所のプレイヤーの傾向や特徴があるのでそれを考えるべきだと思います。 またそれは相手を考えるだけではなく、相手から自分がどう思われているかの傾向も意識する必要があります。 もちろんGTOを学ぶことが大前提ではありますが、その上で私は傾向を考えます。今回自分はプラハに来たアジア人であり、獲得賞金も約30万ドルと少なく、相手から見られる時はレクリエーショナルに見られるはずだと考えていました。なのでそれに合わせてカウンターの戦略を立てていました。
【りい】
それはどんな戦略だったのか、教えてもらってもいいでしょうか?
【Sho】
もちろんです(笑) 例えばですが、相手がUTGでオープンした時にアジア人のレクリエーショナルがBBからスリーベットしてきたらどう思いますか? すごく強そうに見えて、AローやKローのオフスートを入れてないと仮定するはずで、自分はそこをオーバーに行うことでエクスプロイトしていました。 またFT付近では自分が圧倒的にチップリーダーで、自分はその周辺の戦略をかなり勉強してから臨んでいました。特に自分がチップリーダーで相手がミドルスタックの場合は、みなさんが思ってるよりも広くオールインをするべきなんですが、それをわかっていても、相手が外国からきたレクリエーショナルだと思うとわかっていても狭く見積もってしまうんですよね。なので本来よりもさらに広くオールインをすることで利益を最大化することを考えました。 またチェックレンジも大切で、自分がCBを打ってターンでチェックをした時にそのレンジをかなり弱いと判定して攻め込んでくるので、そういうことが出来るプロにはチェックレンジにあえて強いハンドを残して、相手のブラフを引き出すなどをして、相手からよりチップを引き出しました。
【りい】
こんなに戦略をありがとうございます。GTOの話が出ましたが普段はどう勉強されているんでしょうか。
【Sho】
基本的にはGTO wizardとHRCというツールで勉強しています。あとはRun it onceなどの海外のポーカー教材でも勉強していましたね。 最近は本業が忙しくなってきて、前ほど時間は使えてないのですが、過去の積み重ねと振り返りが今の結果につながっていると考えています。
インタビュー用画像

ポーカーへの想い

【りい】
本気でポーカーをやっていこうと思った原点や、ポーカーにはまったきっかけはなんですか?
【Sho】
僕はめちゃくちゃ世界のヨコサワが好きで、YouTubeを見て始めました笑 動画で見たEPTがスマートでかっこいいなと思って憧れていたので、海外で優勝するならここだな!って決めてました!笑 YouTubeを見て、ポーカーを始めて半年くらいの時に、WPT JAPANのメインイベントでFTに行った時に、自分が納得できるプレーができなくて、そこから強くなりたくて、ポーカーにハマりました。そこからはJOPTにも毎回行っていて、結果を残しながらEPTに繋げられたと思っています。
【りい】
JOPTメインイベントでも2連覇されていますが、周囲の期待やプレッシャーはありましたか?
【Sho】
周りからのプレッシャーというよりはむしろ「いじられ」てましたね笑 名誉なことではあるんですが、自分の周りにWSOPや海外の大会で結果を残している人が多く、自分だけがまだ海外で大きな結果を残せていなかったので、今回の優勝で友人たちも愛のある祝福をしてくれて嬉しい気持ちがあります。
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ポーカーのメンタル管理

【りい】
今回のトーナメントは3Daysでしたが、長時間の戦いでメンタルを安定させるために意識していることはありますか?
【Sho】
ひとつはまず睡眠をしっかり取ることです。次にトレーニングや散歩などで身体のコンディションをよく整えることですね。自分の場合はヨーロッパなどに行くとすぐに風邪を引いてしまうので、そこはしっかり整えるようにしています笑 またポーカーをプレーしている時に「自分がティルトしそうになっているな」と感じた場合は意識して、一度離席するようにしています。長いトーナメントは長時間ハンドが入らなくてスタックがじわじわ減ってティルトしてしまうみたいなケースがあるんですが、そういう時も意識して離席して外の空気を吸ったりしますね。自分が感情的になりやすいと自覚しているので笑 今回のトーナメントとはまた違いますが、自分はトーナメントで飛んだ時は熱くなって連続で出たりせずに、仮眠やシャワーなどで一旦リセットして、整えてからトーナメントに出るようにしています。
【りい】
先ほど金額への興味が特になかったと仰っていましたが、今回の優勝で「価値があった」と感じる部分は何ですか?
【Sho】
感じている価値は、自分が今20代で本業がありながら自己資金でライブトーナメントで大きな記録を残せたということです。 今の日本賞金ランキングの上位の方って社会的に成功されて、ある程度年齢とお金の余裕を持ちながらハイローラーを獲得している方が多いと思っていて、そのなかで若い自分が少ないバンクロールの中で、勉強を継続したから大きなプラスの結果を残せているということで夢を与えたいし、そういうロールモデルになれているのだとしたら、それが最大の価値だと思います。ヨーロッパでは今でも若い人でポーカーで活躍している人が多いんですが、それはステーキングだったりファンドが環境として整っている土壌があるからだと思っています。自分もいずれはそういう事業ができればと思っているので、ロールモデルになればいいなと思いつつ自分で実験をしています。笑
【りい】
最後に、この記事を読んでくれている皆さんへメッセージをお願いします。
【Sho】
自分のように本業がある状況でも、長期的にROI(投資収益率)を出せることは証明できると思っています。 日本のポーカーのレベル向上に貢献できるよう、今後も挑戦し続けます。EPTメインのトロフィーやTritonのタイトルも本気で狙っていますし、これからも海外のフィールドで戦い続けます。 皆さんもぜひ海外へ挑戦して、プロを倒しにいきましょう!
【りい】
ありがとうございました! Shoさん、本当に優勝おめでとうございます!
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JOPT Tokyo 2026 #01 が年末に開幕

ShoさんはJOPTメイン制覇を経て、ついにEPTでも優勝という大きな成果を掴み取りました。 アジア最高峰のシリーズとして世界中のプレイヤーが集まるJOPTは、その飛躍を支える存在です。 そして今年の年末には、JOPT Tokyo 2026 #01 がベルサール高田馬場で開催されます。 開催期間は 2025年12月27日〜2026年1月4日。 次に世界で活躍するのは、この記事を読んでいるあなたかもしれません。 ぜひJOPTで新たな挑戦を始めてください。 JOPT Tokyo イメージ
ライター:りい
【日本一ポップに盛り上げちゃうポーカーMC】ポーカー歴4年目/JOPT.戦国ポーカーツアー.SPADIE.新宿Fes等大型大会MC/YouTubeでポーカー解説中
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