ポーカーを覚えて9ヶ月で海外トーナメントに挑戦し、メインイベントで見事に優勝。これからプロポーカープレイヤーとして世界へ羽ばたくヨコサワさんにWPT優勝の感想と初心者からチャンピオンへの道のりとプロになる決意を伺いました。 -- まず優勝瞬間の感想をお願いします -- トーナメント中はもちろん優勝を目指してプレイしていましたが、 4日間の長いトーナメントの疲労からなのか、優勝の瞬間はやっと終わったかと安堵してました。 優勝した瞬間はWPTのチャンピオンなんだという実感はなくて 帰国してから、仲間たちに祝ってもらって初めて大きな大会に優勝したんだなと感じました。 -- 最初に優勝の報告は誰にしましたか --
いつもポーカー談義をしている東京dePOKER漢塾というコミュニティーのメンバーに伝えました。 初めての海外トーナメントということもあり、みんな心配してくれていたし、Day1からずっとコメントやアドバイスをくれていました。仲間の声援は本当に心強かったです。 -- 賞金1,000万円の使い道は --
これはWPTに出場する前から決めていて、賞金の全てをポーカーに使います。 賞金がUSドルで支給されたのも幸を奏して、僕にとってドルという通貨はポーカーチップと変わりません。 これがJPYで支払われていたら、ちょっと贅沢しちゃったかも知れませんね。 今は高価な物を買うとか贅沢するよりも、たくさんのトーナメントに参加する資本ができたことが一番嬉しいです。 -- WPTメインイベントを振り返って --
初めてDay4という長いトーナメントを戦いましたが、めちゃくちゃ楽しかったです。 まず最初に国内のトーナメントと違って自由度が高く、ストラクチャーに縛られず、自分のストラテジーに忠実な自分らしいポーカーが出来た。次に2013 ANZ Player of the Yearの余語伊織さんの隣で、ずっとポーカーが出来たことが本当に楽しかったですね。 あとはアンノウンな海外のプレイヤーと対戦して、色んなプレイを見れたことは刺激になり、勉強になることも非常に多かったです。 -- 600BBスタートのトーナメントにどうアジャストしたか --
初めての大きい舞台ではありましたが、ブラフスポットではブラフをして、アンダーザドッグだと判断したらフォールドする。 というように、1つ1つのアクションに対する判断をほとんど迷わず自信を持って出来た事が良かった点でしょうか。 先程、述べましたが僕の右隣に余語さんがいたことが、ものすごく大きかったです。 まず最初に僕から話しかけたんですね。彼を知る共通の知り合いもいましたし、親しい友人が彼の記事を書いていたので、 彼が偉大なプレイヤーであることは知っていました。テーブル上でプレイの質問はできませんが、とにかく彼をずっと観察できたことが非常に大きかったです。トーナメント終了後も余語さんとポーカーの技術に関する専門的な話をたくさんして、 本来なら、1年かかるレベルの成長を2〜3日の間で急速に進化できたことが大きな収穫でした。 今後も最も尊敬するポーカープレイヤーの一人として、様々なツアーを共に闘っていく事になると思います。 その他にも日本を代表する蒼々たるプレイヤー達と同卓する機会も多く、海外トーナメント初体験の私にとっては恵まれた環境でプレイできました。 後に知るのですがAPPTセブメインイベントに優勝したSimbaさんとプレイできたことも成長の材料になりました。 -- WPTでの勝負所 --
ITM(入賞)が決まった後、残り18人くらいの時です。 AAが配られてフロップでトップセットが完成していましたが、相手はフロップでストレートができており、18BBから4BBまでスタックを減らしました。その時は、トーナメント終了したなって思いましたが、そこから復活できたことが大きかったです。 単にダブルアップしただけでなく、スチールやアグレッションの高さでスタックを増やし、戦線復帰できたことは他のプレイヤーに様々な影響を与えたと思います。Day3後半で大きなポットを獲得したシーンがあります。そこで、ダブルアップに近いくらいスタックを増やせたことが、その後のDay4で楽に戦えたきっかけになりました。 長いトーナメントにおいてコインフリップをするシーンが必ずあります。WPTに関しては本当にラッキーでした。敗退するかも知れない重要なコインフリップのシーンで勝ち続けたことは大きかったです。 -- 優勝が見えたシーン --
Day4は6人でスタートし、ブラインドヘッズ時のブラフハンドで大きなポットを獲得しました。 この時、彼のハンドレンジにターンでバリューベットを打てるようなハンドのバリエーションは少なく ターンでのこのベットはフローティングのようなブラフレンジがかなり広いと判断しました。 仮に、彼がボトムヒットなどのある程度バリューのあるハンドを持っていたとしても こちらのレイズ額はターンでコールした場合にほとんどリバーでオールインにコールせざるを得なくなる大きさで 現状チップリーダーである僕に対して、2〜3位のチップ量を持っている彼からするとICMの観点からもコールする事は かなり難しいだろうと考えていました。 このポットを獲得して、2位と大きく差を開けたチップリーダーになったと同時に、テーブルでの主導権を握れた事で優勝に近付いていると確信しました。この時の私のハンド?皆さんの想像にお任せします(笑) ヘッズアップはスタック差があって優勢でした。一時、僅差になるシーンがありましたが、その時も相手がプレッシャーをかけて来なかったので、比較的楽に勝利できました。強いて言うなら、相手が56sでオールインし、私がAToでコールして負けた時に僅差に追いつかれたのですが、ラストハンドは逆にリバーで相手がATsでオールインし私が56sでコールして、私が優勝を決めた時は運命めいたハンドだなと感じました。 ※ハンド履歴 ※ラストハンド履歴 |