MASTERS S-1 2025

#07 MASTERS Friday High-Roller

タートル選手

優勝おめでとうございます！今の率直なお気持ちを聞かせてください！

ありがとうございます。MASTERSでは初タイトルだったので、やっぱり素直に嬉しかったですね。 今は仕事の関係もあって、プレイヤーとして出場できる機会が本当に限られていて。その貴重な機会で結果を残せたことが、何より嬉しいです。

一戦に懸ける想いが伝わってきますね。 トーナメントを通して、印象に残った場面はありましたか？

残り6，7人くらいでしたかね。自分が一番ショートになってしまったので、KQでアーリーポジションからオールインしたところ、SBからA9でコールされましたが、そこのオールイン勝負に勝ててなんとかダブルアップできたんです。 そこで戦えるスタックがつくれたので、一気に波に乗れた感覚がありました。そこからは優勝も視野に入ってきたので、「どうせだったら優勝したい」と強く思うようになりました。

その勝負所をものにできたんですね！ 普段からハイローラーにはよく参加されてるんでしょうか？

そうですね。プレイヤーとして活動できる機会が少なくなってる中で何に出るか考えたときに、自然とハイローラーを選ぶようになっています。 やっぱり対戦相手のレベルも高くて緊張感がありますし、純粋に打ちごたえがある。真剣勝負としての魅力があります。

限られた出場機会だからこその、ハイローラーなんですね。 ここ1年でも複数のハイローラーイベントで好成績を残されていますが、勝ち切るために意識していることはありますか？

ハイローラーイベントだからといってプレイを変えるということはないですが、全般的によりポストフロップのスキルが必要になってくる度合が高いというのはあると思います。 あと、終盤戦ではスキル差が生まれやすいと思っています。具体的には、 残り6人以下のレンジを知っているか、ブラフの引き出しが豊富か、ICMを理解した上でのフォールドエクイティの追求ができるか、などです。 ハイローラーは優勝を狙うというよりも、一つでも上の順位を目指したいと考えるプレイヤーが多いように感じるので、それを逆手に取って、ブラフしたり、ブラフキャッチやレンジコールしに行くプレイをすることで、優勝するチャンスは増えるように感じています。とりあえず自分よりスタックが少ないプレイヤーがいるからフォールドしておくか、という思考だと優勝する回数は減ると思いますね。終盤戦はエクイティの奪い合いになってきますので。勝ちに行く、奪いに行く側になるという意識を持つようにしています。

ポストフロップやFT以降のスキルがとても重要なんですね。 ちなみに、おすすめの勉強法はあるんでしょうか？

私の場合は本を読んで基本を学んだ後は、ひたすら実戦を繰り返しつつ、自分のウィークとなっている部分を少なくするように努めてきました。現在の導入本としては、世界のヨコサワさんの『7日で完全攻略！世界一やさしいポーカーの勝ち方』がおすすめです。ポーカーを教えてください、と言われた際にはまずこの本を読んで理解してから来てくださいと言っています。本のネーミング自体は初心者向けのような印象を受けますが、本当に必要な知識、スキル、思考方法が良くまとまっています。 読んだだけで満足するのではなく、理解した上でキチンと実戦に生かせるようになれば、それだけで上位5%くらいに入れるのでは？と思っています。そのあとはレンジ読み、人読みなどのリーディングの精度を実戦を通じて上げていく、というのが大事だと思います。

MASTERSの印象についてもお聞きしたいです。実際に出場されて、どんな雰囲気でしたか？

MASTERSはあえて音楽もかかっていないし、演出も控えめで、ポーカーだけに集中できる環境だと感じました。 それが他のイベントとは違う魅力で、純粋に競技としてのポーカーに向き合えた実感がありました。 海外の大会に近い雰囲気だと感じましたし、「WSOPに出る前に腕試しできる場所」としても、すごく意味があるシリーズだと思います。

やっぱり他の大会とは違った“競技感”がありますよね。 そんなMASTERSを経て、今後の目標や挑戦したいことは何ですか？

やっぱり、MASTERSのコンセプト通り、WSOPで結果を残すことですね。 今年も7月のJOPTに支障がないタイミングで、ラスベガスに遠征する予定です。 去年もいくつか出場したんですが…正直、ボコボコにやられました（笑）。4ベットしたAAがリバーでひっくり返されたり…。 「こ、これがメジャーリーグか…」と思いました。でも、だからこそリベンジしたい気持ちは強いです。

その経験を踏まえて、プレイスタイルを変えるなどの対策はされるんでしょうか？

いえ、変えるつもりはありません。普段やってないことを本番でやろうとしても、絶対うまくいかないですから。普段通りを再現することが一番大事だと思っています。去年のWSOPでもいつも通りのプレイをしましたが、確率の波に飲まれてしまった。それだけです。今年は上振れてディープランしたいですね！

やはり、WSOPは特別な大会なんでしょうか？

特別ですね。もう、オリンピックみたいなものだと思っています。もちろん、自分が結果を残せれば一番いいんですけど、それ以上に「日本人が活躍してほしい」という気持ちが強いです。 誰かが“日本代表”として頂上に旗を立ててくれたら、日本のポーカーシーンが盛り上がると思いますし、嬉しいですね。WSOPって、そういう“チームジャパン”的な感覚が自然と芽生える場所だと思います。だから、日本人が残っていたら全力で応援しますね。 現地は日本人が圧倒的に少なく、正直アウェーです。ブレスレッド授与のセレモニーで、優勝者の国歌が流れるんですけど、毎年、君が代を聞けるとよいな、と思います。 もちろん賞金も魅力的ですが、それ以上に、世界最大のイベントで、一生に残る景色や感動体験を得たいという思いが強いですね。

本当におめでとうございました！ チームジャパン、応援しています！

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