Main Event優勝 Naoさん インタビュー

JOPT 2024 Osaka #02

Main Event Winner

Nao選手

Nao様、JOPT Osaka MainEventでのご優勝、おめでとうございます!
優勝された時のお気持ちはいかがでしたか?

今までのポーカー人生で間違いなく一番しびれましたね。
あまり比較する話じゃないとは思いますが、先月に渋谷Poker Fesでも優勝していまして、まあもちろん嬉しかったんですけど、 やっぱりJOPTメインって、国内イベントの最高峰だと思うんですね。

FTの撮影もそうですし、盛り上げ方だったりとか会場の豪華さだったりとか。
1プレイヤーとして、優勝できたのは格別に嬉しいですし、壇上でポーカーを打てたということだけでも、本当に心震えるぐらい気持ち良かったというか、非常に素晴らしい体験でしたね。

過去にはWPTやAPTなどの海外トーナメントでの優勝経験もありますが、やっぱりその中でも一番嬉しかったです。これ以上の喜びとなると、WSOPやEPTのメインイベントだったり、優勝プライズ1億円くらいのレベルじゃないと味わえないんじゃないかなと思います。

Xの投稿も拝見しましたが、前日にめちゃくちゃ飲みまくった後だったそうですね。そこからのご優勝、本当にすごいです!

そうなんですよ。前日にポーカーの先輩方と一緒に天満のホルモン屋さんに行きました。ホルモンやレバ刺しが東京では味わえないレベルのおいしさで、お酒が進んでしまいまして。(笑)ビール やらサワーやら1人10~15杯くらい飲んだ後、もう解散かと思ったら「2次会行きましょう!」 みたいな流れになりました。

1次会からかなりの量のお酒を飲まれてますね。(笑)

そうですね。そのあと、2次会はバーに連れて行ってもらったんですが、みんなお酒が強いので、テキーラとか強いお酒がバンバンでてきて、私もかなり酔っぱらってました。確か夜中の1〜2時に差し掛かったくらいで「あ、これ多分、みんな帰らないパターンだ」と思ったので「ちょっと外に行ってきます」って言って私だけ帰りました。ちなみに先輩たちは朝7~8時ぐらいまで飲んでたらしいです。(笑)

みなさま、ポーカー以外もしっかり楽しまれていて、すごくいいですね!
お酒で翌日は調子が悪かったかもしれませんが、トーナメント中に意識していたことがあれば教えてください。

Day2~3くらいから、大阪の有名なプレイヤーさんや強い方が増えてきた印象があったので、 強いプレーヤーほど一撃で仕留めるというか、やっつけるような感じは意識してプレイしていましたね。


「一撃で仕留める」というのは具体的にどんな感じのイメージですか?

相手に難しい選択を押し付けて、Dead or Aliveのような状態を作るような感覚ですね。もし相手が勝負に来たとしても自分に勝ち目があるような状況を選んで、できるだけ難しい選択肢を突き付けるようにしていました。

なるほど、難しい選択肢を突き付けてミスを引き出すようなイメージですね。具体的に印象に残っているハンドはありますか?

印象に残っているハンドは2つあります。1つ目はDay2で同卓していた強いプレイヤーさんと打ち合ったハンドですね。その方との面識は無かったのですが、前日にMystery Bountyで優勝されて、MainEventのDay2もチップリ通過していたらしく、結果も実力もどちらも兼ね備えてる方が同卓しているんだなと認識していました。

その時のハンドの流れですが、プリフロップでショートのUTGが3bbのAll-inして、CO、BTN、SB、BBがコールして5wayになりました。
フロップがA♥K♥8♥で、全員チェックで回った中で、Mystery Bounty優勝の方がBetしてきました。

その時に考えていたことですが、「私はQ♥を持っているので、フロップはコール以上はできる。ただし、ターン以降で強いアクションを取られるとオッズ的には降りないといけなくなる。」ということと、「マルチウェイでショートのAll-inが入っている状況でのBetなので、相手のハンドにほぼブラフは無いだろう。」ということを考えていました。
なおかつ、Mystery Bountyの優勝者が紆余曲折あって自分よりショートスタックになっていたので、強いプレイヤーにポットを取られるのは今後のためにはならないと思い、彼のBetに対して、 Re-raise All-inを返したんです。結果、相手はベビーフラッシュを持っていてコールしてきたのですが、私がハートを引いて勝ちました。

もし相手が強いプレイヤーじゃなかったら、Q♥をコール止めする選択肢もあり得たと思いますが、相手が強者であればあるほど難しい決断をさせるべきだと考えていたので、そういう観点からもこのハンドは特に印象に残っていますね。

印象に残っているハンドの2つ目は、大阪で有名な豪KIDさんと打ち合ったハンドですね。残り2テーブルのFTバブルの状況だったのですが、私がCOからオープンしたら、豪KIDさんが3Betを返してきました。
その時私は99を持っていたのですが、FTバブルの状況であり、自分の方がスタックも多かったので、強くて実績もある豪KIDさんなら「プリフロップでオールイン勝負をしなくても他でチップを増やせる」と考えて、TT以下やAQなどのハンドも降りる可能性があると思いスナップで4Bet All-inを返しました。
もしコールされてもカバーしてますし、AKとかが出てきてフリップならチャンスもある。何より、ここで豪KIDさんをやっつけられたら、私の優勝の確率がより高まるので、ここは攻めるべき局面だとおもっていましたね。
豪KIDさんはすごく悩まれていたので、間違いなく強いハンドだったと思いますが、最終的には無事に降ろすことができました。

ナイスプレイですね!ちなみに豪KIDさんとの面識はあったのでしょうか?

前日の別イベントで、豪KIDさんが小藪さんとのヘッズアップに勝って優勝されたことをSNSで見ていたので、お名前は知っていました。

私はそもそも東京の人間なので、多分、大阪の人からしたらあんまり知られてないかなと思っていて。 東京の知らない人がFTバブルみたいな状況で4Bet All-inしてきたら多分相当強いと感じると思いますし、まあ最低でもAKまたはQQ以上とかを想定されると思うので、「私は相手のことを知ってるけど、相手は私のことを知らない」みたいな状況をうまく使えたのかなと思ってます。

「相手とのスタック差があって、状況がいい時に相手に無理をさせる」という部分を徹底されているのがすごく上手だなと感じました。また、テーブルでの何気ない会話やSNSなど、どんなところからでも情報を拾っていく姿勢はすごいなと思います。Naoさんとは同卓したくないなと思いました。(笑)

そうですね。ある程度情報の取捨選択はするんですけれども、使えそうな情報は自分の中で取り入れるような感じにはしてますね。
やっぱりUnknownの方だと、ブラフなのかバリュー なのかってちょっと分かりづらい部分がどうしてもあるじゃないですか。
強い方だと、初心者に比べてRaiseやAll-inにブラフの頻度が高まると思うんで、強い方を警戒するためにもなるべく情報を集めるようにしてますね。

逆に、今大会でうまくいかなかったポイントやミスしたハンド等で印象に残っているものはありますか?

ミスまではいかないんですけど、相手の方のすごく印象に残ったプレーがありますね。最終日の残り12人ぐらいだった時に、 私がUTGからQQでオープンしたんです。そしたら、NYにお住まいなのか、NYから来られてるのかわからないですが、Day2でずっと同卓していたアメリカの方がBBでAJを見せて降りたんですよね。

えー!BBでAJ降りちゃうんですね!

そうですね。普通だと6-Maxならコール以上だと思うんですが、何が言いたいかっていうと、その方もものすごくエクスプロイトが上手で、Day2でずっと同卓していたなかで、私のハンドレンジの堅さをどこかで見抜いたんだと思います。「AJ is no good!」って捨てていました。それを見た瞬間に、「この方は相当タイトだし、絶対上手い方だな」と思いましたね。AJなんて普通降りないですが、私のレンジの堅さを見抜いて危険を避けていたので、すごく印象的でした。

今回は残り2 テーブルあたりで印象に残っているハンドが多かったのですね。
やっぱりFTに近づくにつれてトーナメントの楽しさがどんどん上がっていくのがいいですよね。

そうですね、強いプレイヤーさんや海外プロだったりとか、 めちゃめちゃ強者と打ち合えたんで、楽しかった部分はありますね。楽しい反面 「これ1本ミスったらやられるんだろうな。」みたいな。もう鉄強中の鉄強たちが相手なんで、緊張しながらヒリヒリしながら覚悟してプレイしてました。

ヘッズアップはいかがでしたか?

ヘッズは結構あっさりというか、1ハンドで決着がつきました。でもこれは結構仕方なくて、私がかなりラッキーして勝った部分が大きかったかなと思います。

スタック差はどれくらいあったのでしょうか?

私が3人目を飛ばしてヘッズアップに突入したので、スタック差は5:1くらいでしたね。相手の方は10bb前後だったと思います。

ハンドの流れは、私がJ♥4♥でオープンに相手がコール。フロップ9♠8♣4♣で、Betにコールされてました。ターンで4♠が落ちてトリップスが完成したので、5~60%Betをしたところ、Raiseを返されました。

このときの読みとしては、「♠2枚、♣2枚の状態でフラッシュドローもあるし、9、8周りのストレートドローもあってドローヘビーなボードなので、ドローでセミブラフしているのではないか」ということですね。リバーのカード次第ではもう全部まくられちゃうというか。ブラフできるハンドがめちゃめちゃ多い状況で打ってきたので、相手の方は私をリスペクトしてブラフで打ってるんだろうなと思いました。とはいえこちらもトリップスを持っていて、ターンの4でほぼ勝ちを確信していたこともあって、相手のRaiseに対しAll-inを返しました。

相手の方はかなり長考して、最終的にはA♥8♥でコールしてきて私のトリップスが勝ち、無事に優勝することができました。相手のプレイラインもすごく良かったと思いますし、今回はたまたま私も本手が入っていたのでコールしましたが、状況によっては降ろされていたハンドだったと思います。

優勝して変わったことはありますか?

現状はそんなにはないんですけれども、JOPTのメインで優勝することは自分の中の目標であったので。 ポーカーを始めて3年でようやく目標にたどり着いたので、満足感や達成感はものすごくありましたね。

行動力が凄まじいですね!
何年かかっても優勝できない人がほとんどだと思うので、 偉業だと思います。

確率的にはなかなか難しいかな とか思いながらも、JOPTがものすごく好きで、参加できるJOPTのイベントには全部参加していたので、やっぱり優勝できて嬉しいですね。それくらいJOPT推しです。

ベロベロに酔っ払ってても参加したいMain Eventですからね。(笑)

そうですね。 他のイベントだったら朝まで飲むっていう選択肢になっていたと思います。(笑)JOPTのMain Eventだから、夢を追うためには酔っ払った状態だとダメだよなぁと思えたんだと思います。他のイベントだったら多分、酔っ払って翌日レイト参加、みたいな感じになってたと思いますね。

今後について、プライズの使い道は決めていますか?

年内はスケジュール的に海外大会には参加できないので、来年以降はAPTやWSOPなど、積極的に海外トーナメントに挑戦したいですね、

今後は、海外トーナメントで大型プライズやタイトル獲得が目標になるのでしょうか?

そうですね。国内の目標はJOPT優勝で達成したので、次はAPTやWPTのメイン優勝を狙いたいですね。最終的にはWSOPでの優勝を目指して、ステップを踏んでいきたいとおもっています。

今後もJOPTご参加の予定はありますか?

もちろんです。3月の大阪での連覇も目指していきたいですし、年末年始の東京のJOPTにも参加する予定です。東京と大阪のトロフィーを制覇したいですし、もし大阪で2回目のMain Event優勝が果たせたら、大阪難波あたりにマンションを借りて大阪に住んでやろうかな?ぐらいの勢いです。(笑)

ぜひ、連覇したらまたインタビューさせていただきたいです!さて、Naoさんのポーカー経験についてお話を伺っていければと思います。ポーカー歴は3年くらいとのことでしたが、普段はどのようなところでプレイされているのでしょうか?

北千住でポーカーとシーシャが楽しめる、シーシャーズというお店をやってるので、自店のイベントでプレイすることが多いですね。ハンターサイトさんの大型のサテライトを任せてもらっているので、普段はJOPTやKKのサテライトを開催したり、ハウストーナメントやリングゲームも遊べるお店になっているので、ぜひ遊びに来てください。

勉強の仕方や、こうやって勉強したら3年でここまで来れました!みたいなアドバイスがあれば教えて下さい。

これたまに聞かれるんですけど、私は座学的なものはほぼやっていないです。まあ一つあるとしたらポーカーのYoutubeは見たりしてますね。ヨコサワさんとか、しゅんぽーかーさんとかの動画を見て、「そういう考えがあるんだ」みたいな。思考の仕方を参考にしている感じですね。

NaoさんのHendon Mobを見ると、数多くのトーナメントでインマネしていたり、優勝されていることがわかります。これだけの結果を出せている要因は、Naoさん的にはどういうところにあると思いますか?

ポーカーに対してストイックに取り組んでる、っていうのはやっぱりあるかなと思いますね。 これちょっとあの前回インタビューとややかぶるかもしれないけど、仕事の会議とか打ち合わせではお酒飲んだりするんですけど、 ポーカー中はお酒を飲まないようにしていたりとか。

会議では飲むんですね。普通の考え方と真逆で面白いです。(笑)

そうですね。なので仕事以上にポーカーのほうが真剣にやっているのかもしれないです。 あとは、なるべくコンディション整えたり、事前に考えられることは考えておいたり、とかは結果を出せている要因なのかなと思いますね。

最終日の前日、興奮しすぎて2時間ぐらいしか寝れなかったんですよ。頭の中で、プリフロップの構成レンジだったり、この相手にはどうやってプレイしようか、みたいなことをずっと考えてたら結局寝れずだったので、当日の朝に難波のマッサージ屋さんに行って、体だけはいい状態にしようと思って。マッサージを受けてから行きましたね。

結局ポーカーって、フリップもそうですけど、何のカードが出るかは変えられないと思うんです。一方で、そこに至るまでの自分のアクションとか思考とかは変えられると思うので、自分が出せるベストの状態で当日を迎えることが本当に大事だなと思っています。

例えばトーナメントにも遅刻される方とか、お酒を飲まれる方だったりとか、どこかコンディションが万全じゃない状態で来られる方が結構いると思うんですね。なので自分はそういったポイントで悔いがないような感じにしたいなと思っています。

「カードは変えられないけど、自分のコンディションは変えられる」というのはすごく良い考え方だなと思います。
また、Naoさんがこれだけ多くのトーナメントに参加できるのは何でだろうと気になっています。いろんな要因があると思いますが、お話できる範囲で秘密を教えていただきたいです。

そうですね。私自身のバックボーンで言うと、まあ飲食店経営だったりとか。いわゆるコンカフェ経営だったりとかを東京、埼玉など関東近郊でやったりしてるんですね。 なので、勤めの方よりは時間と金銭的な余裕はもしかしたらちょっとあるのかなと思いますね。

なるほど、ありがとうございます。ちなみに、Naoさんと同じぐらいの時期に始めた方との違いってどういうところにあると思いますか?ポーカーを始めて3年で、これだけの結果が出せている方は少ないと思うので、率直に「他のプレイヤーと比べてどういう差があるんだろう」と気になります。

なんでしょうね。周りの方よりもちょっと時間的に余裕があって、打席にたくさん立ててる分、経験値の積み上げが多い部分が強みなのかなって感じがしますね。

例えば、大会中に気になるポイントやシチュエーションがあったら、時間を置いて、自分の中で1回冷ました状態でよく考えてみたりしますね。勝ったシチュエーションにしろ、負けたシチュエーションにしろ、次に活かせるように自分の中に体験を落とし込んで、次に似たようなシチュエーションがあったら再現するというか、同じミスを二度繰り返さないみたいなことはすごく大事にしてるかもしれないです。

経験を積めば積むほど、自分の中で引き出しが増えると思うので、今3年目の僕より4年目、5年目の僕のほうが強くなれるように、経験を無駄にしないようにしたいなと思っています。

人より多く経験が積めて、経験したことは積みっぱなしにせずにしっかりと次に活かせるようにすること。また、事前準備や体調管理など、自分がコントロールできるところをしっかりベストにしようという心構えが、Naoさんの強みの部分だと感じました。

お話を聞いて、私も大変勉強になりました。最後になにか、「これだけは言っておきたい」ということはありますか?

そうですね、やっぱり東京から応援に残ってくれた仲間もそうですし、素敵な大会を開いてくださったJOPTの関係者の方だったり、会場にいてくださった全ての方に心から感謝の気持ちをお伝えしたいですね。みなさま、本当にありがとうございました。

Nao様、改めてJOPT Osaka MainEventご優勝おめでとうございます!次回の大阪での2連覇を楽しみにしています!

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Spadie