JOPT 2024 Grand Final
NLH Knockout Legends Winner
れいちゃそ選手
ありがとうございます!優勝した後に運営の人から聞いたのですが、レジェンド枠から優勝したのは僕が初めてだったそうです。このイベントはレジェンドに1回分の参加費がペイできるくらいのバウンティが付いていて、レジェンドを飛ばすことの価値が高かったので、自分が参加するとマルチウェイになりやすかったりオールインが飛んできたりと、かなり不利なゲームだったと思います。運営の方にも「よく優勝できましたね!」と驚かれました。
JOPTは5,6年前銀座の地下で参加したのが最初です。 ポーカー始めたての頃の気持ちをすごく思い出して、とても嬉しい気持ちになりました。
21歳から韓国で駐在員の仕事をやっていたのですが、韓国に住んで1年ぐらいした後に仁川パラダイスシティがオープンしまして、当時、Sさんというギャンブル好きの駐在友達に「カジノに行こう」と誘われました。あまり興味はなかったのですが、ついて行くことにしました。
僕は数千円とか1万円くらいの少額でバカラやルーレットで遊んでたのですが、Cafe9って食堂みたいなところがあって、そこの真ん中に円卓があってSさんがポーカーをやってたんです。そこで初めてポーカーというものに出会いました。
大負けして顔を真っ赤にしたSさんが「ポーカーは他のギャンブルと違って、対人ゲームだから勝てる」みたいなことをすごく熱く説明してくれまして。「こうやってテーブルをみんなで囲って、ここがSBでここがBBで」とか 「ゲームはこんな感じで進行するんだ」みたいなことを口頭だけでカードもなく説明されて「覚えたか!じゃあやってみよう!」みたいな流れで、言われるままテーブルに座ったのが初プレイですね。 ルールもほぼ理解できてないし「口頭で役の強さを説明されても覚えてないよ!」と思いながら、初プレイで75oで参加したら、フロップでストレートを引いたんです。 ターンはA、リバーはK みたいなボードで「これ、強いんじゃないかな?」と思ってオールインしたら相手がAA持ちでスナップでコールしてくれて、チップを全部もらえました。
そりゃハマるでしょ!って感じの初プレイでした。
今だったらさすがにAA側のクーラーだとわかりますけど、当時は「相手めっちゃ下手やん!」みたいなことを思ってましたね。
それがまぐれ勝ちだったことが分かったのは、3日後ぐらいだったんですけど。(笑)
そこから本当に毎日のようにポーカーを打ってました。仕事が19時に終わるんで、20時くらいから朝4時ぐらいまでポーカーをやって、その後朝10時から出社、みたいな生活を送ってました。カジノに通っているうちに、同卓していた日本人のプレイヤーにプリフロップのハンドレンジだったり、フロップ以降の戦略を教えてもらったりしながら徐々にルールやセオリーを覚えていった感じです。
駐在が終わって日本に帰ってきた後、パラダイスシティで出会った他の日本人プレイヤーに「日本でもポーカーブームが来てて、アミューズメントカジノでポーカーができるよ」と教えてもらいました。その方に誘われて 「1回だけ行ってみようかな」という気持ちで六本木Backdoorに行ったのが、日本帰国後の初めてのポーカーでした。少額で遊べるゲームや大会があると分かって、これはいいなと思って色々調べたところ、 JOPTの存在を5〜6年前に知りました。
そこからJOPTにも参加するようになりましたね。 JOPTに参加し始めた頃は、大きいトーナメントで優勝することができなかったので、昔からJOPTで優勝することに特別感や憧れはありました。なので今回のLegends優勝で、当時銀座のJOPTで感じていた気持ちを思い出しました。
どのトーナメントにも言えることですが、1つでも順位を上げるようにと考えていました。また、トーナメント全体を通して、フォールド寄りのパッシブなアクションが多い印象を受けたので、自分はできるだけアグレッションが高いアクションを取るように心がけました。 FTの時点では全体の半分くらいチップを持った特大チップリーダーがいて、私は7番手スタートでした。2位以下のチップ量がほぼ互角の団子状態だったので「まあ2位になれたらラッキー」くらいの気持ちで頑張っていたところ、運よくヘッズアップまで辿り着けました。 ヘッズアップは30bb対50bbぐらいのチップ差でスタートしたと思います。途中でスタック差が1.5対8.5くらいまで追い込まれてしまい、「優勝は厳しいかな」と感じる場面もありましたが、運良く優勝することができました。
高いアグレッションで見事勝利を掴まれたのですね!そしてここで2位に入賞された Hidekiさんからもコメントをいただいたので紹介させていただきます!
Hidekiさん、れいちゃそさんのと対戦してみていかがでしたか?
海外でプレーされているヘッズアップにおいてはかなり強い人だというのは知っていました、ファイナルテーブルで一緒になりましたが、そこでもかなりアグレッシブな印象でした。ヘッズアップになるとそれがもっと強調されたような感じを受けました。 そしてポジションある場合にはかなり強気にベットしてくる感じでした。こちらのポジションがない場合に打たせる、ある場合はこちらから積極的にベットしていくこと、相手のほうが格上なのは間違いないので、ある程度の段階でプリフロップオールインに持ち込んで確率勝負していこうと思ってプレイしていました。
3回ほどプリフロオールインになったのですがすべて負けてしまって、なかなか勝ちきれないなぁという感じでした。
長いことシーソーゲームが続き、こちらのリバーで完成したストレートでベットにレイズオールインしたところフルハウスに負けてしまい、そこで今日はさすがに勝てないなと思った記憶があります。ヘッズアップになっても話しかけてもらいながら長い時間できたのは楽しかったなと思っているのと、ヘッズアップになるくらいまではかなりチップも持っていて勝てそうなところから最終的にひっくり返されてしまったのはさすがだなぁという気持ちでした。
今回は負けてしまいましたが、またどこかで機会あるときは絶対にリベンジするので、ぜひまた戦わせてください!!
Hidekiさん、ありがとうございました!そしてさらに3位に入賞された eiichiroさんからもコメントをいただいたので紹介させていただきます!
eiichiroさん、れいちゃそさんの印象やプレイスタイルはいかがでしたか?
紳士的でポーカーフェイスで、とにかく読めませんでした。バウンティトーナメントならではの難しい場面なども多かったです。それを踏まえ、基本的にプリフロップではAll in or Foldで戦いました
ラストハンドは僕が先にA7o でAll INしましたがコールされてAKに負けました。(笑)
ファイナルテーブルは、れいちゃそさん含めみなさん和やかな感じでとても楽しかったです!
最後にれいちゃそさんへ何かコメントをお願いします!
僕のLedendsのバウンティの旗お持ちでしたら飾っておいてくださいね!笑 また同卓できたらと思います。最後までとても楽しかったです、ありがとうございました!
eiichiroさん、ありがとうございました!さて れいちゃそさん、優勝後何か変わったことはありましたか?
シリーズの一番最初のイベントに勝つと、以降のイベントでみんなに顔を覚えてもらえたり、「おめでとう!」と声をかけてもらえたりするので嬉しいですね! 過去にAPT#1のイベントで 優勝したことがあって、その時も周りから声をかけてもらえて気分良くシリーズ最後までポーカーができたので、やはり1つめで優勝できるのはいいなと改めて思いましたね。
現在はジョージア(トルコの横)に家を買って専業をしているので、ライブキャッシュがメインになります。たまにハウストーナメントに出たりはしますが、ほぼキャッシュゲーム専業ですね。
僕は起業して会社の代表をやっていたのですが、ポーカーにのめり込みすぎたせいで、「仕事は他の人がやった方がいいんじゃないか」という気持ちになってきまして。会社を他の人に任せて、事業に真面目に取り組んでいった方が会社としても成長するし、社会的意義 もあるのではないかと思い、会社を売却することにしました。売却が済んだタイミングでポーカー専業として海外移住しようと思っていて、あと、ジョージアに家を買ったので、その家が完成したタイミングで移住しました。
ここ1〜2年での自分の転機だったと思います。実は、コロナの時に会社の経営が危うくなるくらいに仕事が無くなってしまったことがありました。その時に、現実逃避をするようにポーカーをやっていて、気づいたらかなりポーカーが強くなっていました。 自分は1つのことにきちんと向き合うと、他のこともきちんと向き合おうと思えるタイプだったようで、「ポーカーが終わったら、仕事がんばろう」みたいな感じでうまく切り替えていたところ、ポーカーが強くなっていくのと同時に、仕事も上手くいくようになってましたね。
ただやはり、仕事とポーカーの両立は結構難しいなと思いました。例えば、ベガスにいる時は仕事がざっくり100時間/月ぐらいで、ポーカーはざっくり200〜250時間/月ぐらいでした。WSOP期間中はポーカーを更に打つ時間が長くなって、300〜400時間はポーカーを打つ生活をしているので、体力的に若い時期しかできないなーと感じています。前回と今回のEPTで、60歳のおじいちゃんが優勝しているのを見て、「年を取っても優勝のチャンスがあるポーカーっていいな」と思う反面、年を取ってから優勝できるのは一部の限られた人間で、ほとんどの人は体力と集中力がある20代とか30代のほうが優勝しやすいと思うんです。そういうのを考えた時に、やっぱり仕事をやめてポーカーに集中したいなと思うようになりましたし、今のうちにポーカーに打ち込めるようなバンクロールと時間を作っていくべきだと思っています。
実際に海外でポーカー専業になることを実行しているところが素晴らしいですね。私の周りの20代のお友達とは考え方も実行力も違いすぎて驚いています。
僕は島根の超田舎にあるゴリゴリの村出身ですが、あまり自分の周りにもそういう考え方をする友達はいないですね。僕、15歳の時に将棋のプロを目指して実家を出たのですが、お母さんには当時から「公務員になってほしい」って言われていました。ウチの教育方針が「安定した仕事についてほしい」だったので。
そうですね。(笑) 起業したことも伝えてなかったんですが、起業して 3年目ぐらいの時に、友達の結婚式に行った時に「会社やってるんだよね」とチラッと友達に話したら、僕のお母さんは村の役場で働いていて情報がすごい入ってくるらしくて「 あんた会社やってんの⁉️」 みたいな感じでバレて怒られちゃいました。(笑)
今はもう、会社を売却した金額とかも知っているので、公務員だったらこの金額稼げてないよと伝えて納得してもらっていますね。トーナメントで結構大きい賞金をもらった時なんかもいつも事後報告なのですが、村のネットワークでいろんなところからバレてるみたいです。 WPTで優勝したときも、お母さんから急に「これ、あなただよね?」ってWPTのURLが送られてきたりしました。なので最近は、海外のトーナメントに出る時は事前に連絡するようにしてます。 昔はそんなバカな事やめろと反対だった母も今では悔いのないように頑張りなさいと応援してもらえるようになりました。
やはり、300~400時間はポーカーを打っているので、そこは苦労しているところかもしれません。 あと、今はポーカー専業なので、ポーカー以外に定期収入がないことへのプレッシャーも少しありますね。僕が出てるトナメは、日本円だと約 25万円ぐらいなので、100回ぐらい下振れた場合 2500万ぐらい。渡航費用なども含めると3000万円ぐらいはトーナメント資金として残しておかないといけないですし、キャッシュゲームを打つなら更に+1000万円ぐらいはポーカー用の資金として必要になってきます。 ロックされる金額が大きいので、その辺をなんか耐えないといけないのかなという感じですね。
別の大会の参加費に使うことが多いですね。 ポーカーに使えるお金と、生活に使えるお金は分けているので、基本的にはポーカーで獲得した賞金をポーカーで使う、みたいな感じでが多いですね。 賞金で買った高額なものはあんまりないんですよね。よく取材で聞かれるんですが。 本当に無いんですが、強いて言えばコンタクトを2Weekから1Dayのものに変えたりしましたね。あと洋服買ったり、一緒にポーカーを勉強している友達にご飯奢ったりとか。
プライズの使い道はWSOP一択です!(笑)
あまり数値的なことを意識することはありませんが、20代のうちに1位になりたいとは少し思うので、Shota※1の順位を抜けたらいいなあ・・・くらいで考えています。 30代以降になっちゃうと相手がOyaさん※2になっちゃうので、勝てなくなっちゃうなと思います。
※1 2022年 WSOPの$10,000 Short Deck No-Limit Hold’emで優勝されたShota Nakanishiさん。Hendonmob日本人ランキング36位。賞金総額$ 404,285。
※2 Masashi Oyaさん。Hendonmob日本人ランキング1位。賞金総額$ 7,224,324
そうですね。WSOPで知り合った仲良しメンバーの1人で、よく一緒に遊びに行ってます。オールスターメンバーが揃うので、すごく楽しいですよ。
日本に帰ってくるタイミングと被れば是非出たいです!
新しい人生の趣味を与えてくれたものです! 僕は幼少期から将棋をやっています。将棋も趣味にはなるのですが、実力が100%反映されるため、常に勉強が必要で「一生の趣味」にはなりづらいと感じています。 一方で、 ポーカーは運の要素も絡むので、少し離れている時期があったとしても、気軽にみんなで集まってプレイできるので、人生をかけて楽しめる一生の趣味だと思います。
新しくポーカーを始められた方に伝えたいことはありますか?
今は日本でも大きな大会が開かれているので、いっぱい参加して海外に挑戦しましょう! 僕がポーカーを始めた頃は大きい大会があまりなかったのですが、国内でも大きい大会がたくさん開かれています。 海外で、例えばEPTとかに参加しようと思ったら、ミニマムのバイインでも10万円、次に安いイベントでも15〜20万円と高額になってしまいます。WSOPで300~400ドルのトナメだとブラインドが鬼のように早くて、アベレージが15BBで進むようなハイパーターボトナメばっかりなのであまり楽しめないですし。その点、JOPTは1〜2万円で参加できて2〜3日遊べたりするので、そういうところが魅力だと思います。
どうせお母さんにはどこかから情報が伝わって、このインタビュー記事の存在もバレちゃうと思いますので、掲載して頂いてOKです!
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