Crown優勝 YEBISUさん

JOPT 2024 Tokyo #02

#39 Crown Winner

YEBISU選手

YEBISUさん、改めてCrownご優勝おめでとうございます!まずは優勝された時のお気持ちについて教えてください。

ありがとうございます! 今回のJOPTでは6‐Max Championshipにも出場していたのですが、そちらが4位だったことが悔しく、さらに上の順位を取りたい、トロフィーがほしいと思っていた中でしたので、目標を達成できてほっとした気持ちがありました。
FTはエフェクティブスタックも浅いなかで、運の要素も大きかったので、そのような状況でも勝ちきれたことはとてもラッキーだったと思っています。
また、WSOP帰りで疲れていたので今回JOPTの参加は見送ろうとも思っていたのですが、出場してよかったなと思いました。

優勝を意識し始めたタイミングはいつ頃でしょうか?

序盤から1st〜3rdチップリーダーぐらいでずっと推移できていたので、FTにはいけるかなという感覚はずっと持っていました。ただやっぱり、ターボでエフェクティブも浅いトーナメントではあったので、優勝できるかどうかは運の部分も強いなと思いながら戦っていました。

序盤からビッグスタックを築いているのはスゴいですね!
大きなポットをとったハンドがあったのでしょうか?それともコツコツ増やしていったのでしょうか?

基本的にはコツコツっていう感じですね。アベレージの1.5倍ぐらいまでチップが増えてからは、周りのプレイヤーさんに対して上手くプレッシャーをかけながらプレイできたかなと思います。

毎回上位に来るプレイヤーの方はプレッシャーをかけるのがすごく上手な印象がありますね。運の勝負じゃないところでチップが稼げてるところが素晴らしいなと思いました。

そうですね。強いハンドを待っているだけの戦い方ではなく、ハンドにこだわらずにプレイしてチップをコツコツ増やせたのはすごい良かったかなと思っていますね。

「相手にプレッシャーをかけていく」という点について、印象に残っているハンドはありますか?

具体的なハンドは覚えてないんですけど、かなり広いレンジでオープンして、本来であればもう少しアウツが欲しい場面でもダブルバレル、トリプルバレルで押し込んでいったのは今回こだわったポイントですね。
20万円出しのハイローラーイベントなので、マネープレッシャーを感じてる方もいらっしゃったのかなと思っていて、そういう方はターゲットにしやすかったかなと思います。 特にバブルラインはICMが効きすぎている状態が結構あると思うので、そういう仮定のもとでプレイできたかなというところはありますね。

YEBISUさんにとっても参加費20万円は決して安くない金額だと思いますが、なぜレンジを広く強気に攻めることができるのでしょうか?

そもそもマネープレッシャーを感じるトーナメントには参加すべきではないというのが原理原則としてあるとは思うので、のびのびとプレイできるトーナメントを選んで参加していますね。とは言いつつ、今回のJOPTで結構インマネしてまして、Crownの参加費用もJOPTのインマネ分から出しています。

今回のJOPTではいくつトーナメントに参加して、いくつインマネしたのでしょうか?

5個参加して、3つインマネしました。そのうち2つはFTまでたどりつきました。
Crownで優勝、6-Maxは4位、Main Eventは93位とすごくいい成績でした。かなり運が上振れしたと思います。

もちろん運もあったと思いますが、コツコツとチップを増やしたりと、運に頼らないところで戦っている印象があるので、実力もしっかり出せていて素晴らしいなと感じました!
今回のJOPTに向けての対策などがあったのでしょうか?

そうですね、コンスタントに勝つ方ってやっぱりいらっしゃるなと思っているので、そういう方のプレイラインを模倣するようにしていましたね。「具体的にこの人!」という方はいないのですが、JOPTでいつも上位に上がってくる人や、同卓していてスタックをたくさん積んでいるような方を重点的に見て学ぶようにしていました。

他には、プレイスタイルをギア2つぐらいアグレッシブにちょっと寄せてみたのですが、それも上手くハマったと思っています。JOPTの前に参加していたWSOPでは1個だけインマネできたのですが、その時にアグレッシブに攻めてスタックを積み上げる走り方や感覚がうまくつかめた部分があったので、それをJOPTでもうまく再現した感じですね。序盤は分散が大きいプレーをして、スタックを積んでからはアグレッシブに攻めるようなイメージです。

なるほど、リスクの取り所が序盤に寄ってる感じですね。

まさにそうですね。最近は、「すぐに飛ぶか最後まで残れるか」みたいなプレイスタイルに寄っていますね。序盤の分散が大きくなっている分、すぐに飛んでしまうこともあって、今回のJOPTではMegastackとかも出ていたのですが、5人目くらいに飛んでます。(笑)


プレイスタイルを変えるきっかけはWSOPだったと思いますが、WSOP以前のプレイスタイルはどんな感じだったのでしょうか?

結構いろんなことを試していたんですけど、タイトアグレでやることが多かったですね。レンジを狭めてナッツ級をしっかりと作って、大きくバリューを取りに行くスタイルだったんですけど、やっぱりそれだとどうしてもハンドを待たないといけなくなるので、ちょっとルースに打つプレイスタイルに挑戦した感じです。

WSOPで参加したトーナメントは、ターボストラクチャーが多かったのでしょうか?

いえ、ロングストラクチャーが多かったですね。

なるほど、ロングストラクチャーのほうが良いハンドを待てる印象がありますが、ルースな打ち方にもチャレンジしていったのでしょうか?

そうですね。もちろんターボよりもロングの方がハンドセレクトするんですけど、少しずつレンジを広げていく感じで打ってました。
今回、WSOPメインイベントに出ていて、Day2敗退にはなったのですが、かなりスタックを築き上げながらプレイすることができていたので、そこら辺の良い感触をそのままJOPTに持ち込めたなという感じです。

WSOPには今年から参加ですか?

WSOPには去年から参加し始めて、今年で2回目の参加になります。初回はもうガチガチだったので、のびのびとポーカーできるようになったのは今年の収穫ですし、感覚的な部分の学びも多かったので今回は非常にいい経験だったなと思います。

FTやヘッズアップを通して印象に残っているハンドはありますか?

FTでA5oをオープンしたところ、運良くAA5が落ちてフロップフルハウスを作れました。このときしっかりと隙なくプレイして、ほぼ限界までバリューを取り切れたのは印象に残っていますね。

これは嬉しいハンドですね。気をつけていたことや、バリューを取り切るための戦略はどのようなものだったのでしょうか?

そうですね、ツイていたと思います。ただ、ラッキーを最後までものにするのが重要だと思うので、その後のプレイも丁寧に進めました。

フロップはバリューターゲットが無さ過ぎると思ったので、CBを打たなかったんです。ターンで確かQが落ちて、ベットしたところコールしてもらえて、リバーでもベットしたところ、相手が30秒くらい悩んでコール。という流れでした。恐らくQがヒットしていたと思うので、そこに向けて相手がコールしてくれるギリギリのサイズを見極めてベットできたと思っています。相手の方も「丁度いいサイズのベットだな〜」みたいな感じのことを言いながらコールしていました。

ここまでのイメージからルースアグレなプレイヤーだと思われていて、コールしてもらえた可能性もありますね。

そうですね。かなりルースに見られていたと思いますし、そのイメージを上手く利用してプレイできたと思っています。

ヘッズアップはいかがでしたか?

ヘッズアップはそこまで自信はなかったのですが、相手の2〜2.5倍くらいのスタックを持った状態でスタートできて、またかなりエフェクティブも浅かったので比較的に判断に迷うところも無くプレイすることができたと思います。

ラストハンドはエフェクティブスタックが5bbで、自分がA8oでプッシュしたところお相手の方が87でコールして、無事に抜けて優勝、という感じの流れでした。お相手の方もすごい強い方でしたので、なんとか勝ちきれてよかったです。

最後はドミネイトしてるハンドで、運も味方してくれたんですね!

そうですね。最後もラッキーでしたし、FT全体を通して見てもかなりラッキーさせてもらっていると思います。Q9sとAQsでぶつかって、リバーでQ9sの僕がフラッシュを完成させて勝ったハンドもありましたね。自分のスタックが3bbでプッシュしてチップリーダーにコールされたハンドだったので、ここで負けたら優勝は無かったですね。

やっぱり、FTに残るところまではなんとか実力で行けるかもしれないですが、ターボトーナメントだとどうしても最後はちょっと手の込んだジャンケン大会みたいな面は出てくるので、そこで勝ち切れたのは最後まで本当に運が良かったと思います。FTに残った方は本当に皆さん強かったので、どなたが優勝してもおかしくない状況だったなと思ってます。

優勝後、何か変わったことはありましたか?

祝勝トーナメントを六本木のUPsさんで開催していただけました。
気持ちの部分では、鉄強の皆さんを退けて得た初のJOPTトロフィーということもあり、自分のポーカーに自信を持てるようになりましたね。どなたかの勉強会に参加して勉強したりするタイプではなく、試行錯誤しながら我流で戦っている部分があるので、しっかりと結果を出せたのは良かったなと思います。

プライズの使い道は決めていますか?

海外トーナメントの参加費に使いたいなと考えています。これまでにWSOPしか参加したことがないので、APT、EPT、WPTなどのトーナメントへの参加も検討しています。

韓国とかアジア圏のトーナメントからデビューする方が多い印象があるので、WSOPしか参加したことが無いというのは珍しい経験だと思いました!

そうかもしれないですね。近場だと何度も通っちゃうと思うので、ラスベガスくらい距離があったほうが自分に対する縛りが効くかなと思っていました。ですが、今回のプライズが大きいので、その縛りも効かなくなりそうな気がしています。(笑)


今後のポーカーに関する目標があればお聞かせください。

WSOPをはじめとする海外の格式ある大会での優勝経験を得たいですね。
最近はNLH以外の種目も流行っていて、NLHよりもブレスレットが取りやすいみたいな話も聞きますけど、僕の場合はもうNLHに特化したいなと思っています。

今後もJOPTご参加の予定はありますか?あれば、意気込みを教えてください。

もちろん参加したいです。これまではトロフィーを取ることが目標でしたが、1つ取ると2つ3つと取りたくなってきました。今後はメイン、プラチナム、クラウン、6Max Championshipを中心に出場していきたいと思っています。

ポーカーのご経験について教えて下さい。まず、ポーカー暦はどのくらいですか?

10年以上ですが随分ブランクがあって、直近2年程で勉強もする「ガチ」なプレイヤーになりました。

ポーカーを始められたきっかけを教えてください。

大学の卒業旅行でラスベガスに行くことになったのがきっかけですね。
せっかく行くならカジノに行きたいけど、ブラックジャックとかバカラとか、期待値マイナスのディーラーとの対決みたいなゲームは避けたいなと思った中で、ポーカーというものがあると知り、スマホアプリでルールを覚えました。

その後、アキバギルドや六本木Backdoorなどでライブポーカーの練習をしてからラスベガスに行って、ひたすら$1-3のキャッシュゲームを打ってましたね。1日18時間くらい打っていたと思います。

いきなり18時間打てる体力がすごいですね(笑)

卒業旅行のラスベガス滞在が2~3日しかなくて、他の友達がアンテロープキャニオンとか観光地に行っている中で、僕ともう一人の友達はひたすらポーカーを打ち続けていました。
本当に疲れすぎてて、勝ってるJJをマックしちゃったりしましたね。しっかり自分のハンドが勝っているのを確認したのに、なぜかマックしていました(笑)

キャッシュゲームを長時間打って疲れていると、おかしなことをやりだしますよね。(笑)
マネープレッシャーもあると思いますし、キャッシュは「この1ハンドで取れるMAXを取り切る!」という感じで常に思考し続けるので、トーナメントよりキャッシュのほうが頭が疲れる感じがあります。

そうですね。ゲーム性とか向き合い方みたいなところはすごい違うなと思いますね。キャッシュは時給の世界で、少しずつ稼いでいくイメージで打ってますし、一方でトーナメントはうまく分散と付き合って戦っていく感覚で打ってます。

どちらかと言うと僕はトーナメントのほうが頭が疲れますね。キャッシュは基本的にブラインドも変わらないですし、ずっと同じ前提条件のなかでプレイする感覚があるんですが、トーナメントはエフェクティブスタックが変わるし、いろんなレンジやプレイラインを自分の中に持っておかないといけないので、頭を使うし難しいところだなと思っています。

普段はどのようなところでポーカーをプレイされていますか?

渋谷や六本木でプレイしています。特にUPsにはお世話になっていて、今回祝勝会もしてくださいました。

ポーカーはどのように勉強されていますか?

Wizardなどで気分が向いたときに座学をして、あとは実践で感覚を掴んでフォームを固めることが多いですね。

あなたにとってポーカーとは?

いろんな意味で「縁」だと思います。プレイする中で生まれる人の縁、勝つにも引き合わせの縁が必要、そんな面白さがあります。
今回のトーナメントでも、FTに残ったプレイヤーの誰がトロフィーをとってもおかしくない中で、縁があってトロフィーを取れたと思っています。

新しくポーカーを始められた方に伝えたいことはありますか?

どんなに勉強してもバッドビートを食らったりして「 運ゲーじゃん!」 と思うこともあると思います。強くても結果が出ないのがトーナメントの世界ですが、結果をコンスタントに出しているプレイヤーがいるのも事実です。基礎を固めたうえで、コンスタントに勝っているプレイヤーの真似をすることが重要だと思います。

トーナメントをやってるとモチベーションの上下はあると思いますが、いかにコンスタントに勝てるようになって高いモチベーションを保ち続けて、海外トーナメントとかにも参加できるような気持ちに持っていけるかが大事だと思いますし、ぜひいろんな方にその壁を超えてもらえると楽しいだろうなと思いますね。

ご自身の強さの秘密は何だと思われますか?

相手からみて、どれだけ「めんどくさい」プレイヤーになれるかということを大事にしています。特にチップを持ったときにどれだけそれを発揮できるかが、安定した走りを実現するために必要だと思っています。

これは大事ですよね。強い人ほど相手が嫌がる部分を攻めてると思います。

そうですね。相手にミスしてもらったり、オーバーフォールドしてもらったり、みたいなところが収益ポイントなので、相手にどれだけGTOから外れてもらえるかを重視してますね。
「この人、自分がオープンしたら絶対3Betしてくるから、微妙なハンドでオープンするの怖いな〜」とか「これをコールしたら絶対トリプルバレル打たれるんだろうな」 みたいな感覚をいかに持ってもらえるかが大事だと思います。

対戦相手に合わせて「GTO通り戦う」とか「GTOから外れたとしても、相手が嫌がる部分を攻める」とか、使い分けができる方が強いプレイヤーだなと感じますね。

そうですね。GTOが推奨するプレイラインって、人間からするとなんか気持ちいいラインじゃなかったりするじゃないですか。「これ負けてそうだけどコールしないといけないんだ!」みたいなのものがたくさんあるし、特にICMがかかってない時はチップEV で計算されちゃうので、「こんな飛び方したくないよ!」みたいプレイラインが推奨されたりするんですよね。そういうところをどれだけ相手に間違ってもらえるかが大事ですね。

YEBISUさん、長時間のインタビューありがとうございました!
ぜひ次はWSOPやWPTなど、海外の大型大会の優勝インタビューでお会いさせていただきたいです!今後のご活躍にも期待しております!

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