ANZPT Perth $550 Six Handed優勝、ANZPT Perth Main Eventで準優勝した ヨゴ イオリさんインタビュー

Iori Yogo
ヨゴ イオリさん 新たなチャンピオンが、オーストラリア西部のパースで開催された ANZPT Event 7 - $550 Six Handedで誕生しました。 更にメインイベントで準優勝を果たす快挙を成し遂げた。 オセアニアで日本人が結果を残したことで、4月4日から開催される WSOP ASIAに向けて日本人プレイヤーにとって弾みとなるでしょう。 そして、主にキャッシュゲームをプレイされていた余語さんにとっても 活動の幅を広げる大きな切欠となり、進化を実感できたANZPTであったに違いない。 ライブで凌ぎを削っているプロプレイヤーのインタビューを是非、参考にして下さい。

主な戦績

2013年 ANZPT Perth Main Event 準優勝 $74,432

2013年 ANZPT Perth Six Handed 優勝 $19,125

2013年 Aussie Millions 14位 $2,481 

2011年 Binion's Poker Classic, Las Vegas 準優勝 $2,000

2011年 Binion's Poker Classic, Las Vegas 6位 $ 735

 




ANZPT Perth $550 Six Handedで優勝し、ANZPT Perth Main Eventで準優勝した ヨゴ イオリさんに初タイトルを獲得した感想とプロの視点について聞きました。

 

-- 海外トーナメントで初優勝おめでとうございます --
ありがとうございます。達成感いっぱいで王者の気分です。 実のところ、短期的に見たトーナメントの結果というのはそのプレイヤーの実力の何の証明にもなりません--それをよく理解している人間でも浸ってしまう「俺がNO1だ!」「俺、無敵!」といった感覚。翌日のトーナメントであっさりバストしたり、キャッシュゲームでサクッと200bbぐらい負けたりするんですけどね。Main Eventの準優勝は嬉しさよりも悔しさが大きかったですね。でも連続で優勝・準優勝できたことはラッキーでした。なによりこの「ノッてる」感が味わえて良かったです。 あ、優勝から半月経過した今もまだノッてますよ。多分(笑)

 

-- 日本で応援していた仲間にメッセージをお願いします --
テレビ報道とかがあるわけでもないのに、ライブレポートとかをフォローしてもらって自分達のことのように盛り上がってくれてました。自分がいない場所で自分のことを語ってくれたり、褒めてくれたり、祝ってくれて・・・凄く幸せです。ありがとう!

 

-- ANZPTに参加したきっかけは何ですか --
Aussie Millionsの期間中にオーストラリアでキャッシュゲームするプランで、その後に連続でパース、シドニーとANZPTがあり、4月には再びメルボルンでWSOPが開催されることを知ったので、トーナメントサーキットを追いかけながらキャッシュゲームをして行く予定でした。最初は$1,000以下のイベントにしか出ないつもりでしたが、6-handedのイベントで優勝したので、友人達の後押しもあってMain Eventにも参加しました。実を言うとMain Eventは直前まで出場を渋っていました。

 

-- トーナメントで印象に残っていること --
Six Handedで一番危なかったのはDay2の最初に「俺は一切ディールはしない!」と宣言した直後に、チップカウント3位からバブル候補に転落した瞬間でしたね。すごく焦りましたし、なんてったってカッコ悪いですからね。ただ全体的にパッシフブなプレイヤーが多かったので、プリフロップで相手にマージナルなハンドが入り続ければ良いところまでは行けるなと思ってました。 トーナメントを通じて意識してたことは、キャッシュゲームに比べてプリフロップの2bet,3betレンジやフロップでのチェックレイズレンジがプレイヤーによって大幅に異なること、そして同一のプレイヤーでもトーナメントのどの段階かによってまたレンジがかなり異なってくること、これらを特に意識していました。




-- キャッシュをメインにプレイしていて、トーナメントとの違いと共通点 --
同じポーカーですから、違いよりも共通点の方が圧倒的に多いですよね。違いを挙げるとしたら次の四つです。 1.容赦無き分散。キャッシュゲームよりも運の要素が極めて強い。結果が実力に収束するにはかなりの時間を要する。オンラインは数こなせるからまだしも、ライブは特にそう。故に、結果から正しい反省をしたり正しく自分のプレイを改善することもまた難しい。必要な軍資金はキャッシュのを遥かに超えます。 2.今は広く知れ渡っていますけど、ファイナルテーブルとかのICM効果。多くの局面でチップを増やすことよりもチップを減らさないことが(少なくとも賞金は)正しくなります。 3.トーナメントとキャッシュの本質的な違いではないけど、現実世界ではスタック量が大きく違う。キャッシュの方が圧倒的にディープ。ここもトーナメントの残念なとこです。 4.参加しているプレイヤー達のハンドレンジやベット金額がキャッシュと大幅に違う。具体的に言うとトーナメントでは、タイトアグレッシブのプレイヤーが多く、コーリングステーションは少ない。キャッシュゲームで負けるプレイヤーは通常「コールしすぎ」であるが、トーナメントで負けるプレイヤーは「フォールドしすぎ」なケースが多い。なので、こちらが利益をあげるポイントが異なってくる。ベット金額も極端に小さい。プリフロップは2bbのレイズが多いし、フロップ以降もハーフポット未満が多い。別にこれが正しいというわけではないが、キャッシュゲームと違うのは事実なので、自身が用いるべき最適なレンジ・頻度・金額なども変わってきます。

 

-- 今後、プロを目指すプレイヤーたちにアドバイスや準備するものは何 -- 
自分もまだまだなんで、あまり大きなことは言えませんが、 1.ポーカーが大好きであること 2.ポーカーの勉強が好きであること 3.キャッシュゲームが好きであること 4.過信ではない自信と自他をみつめる客観性 これらが大事だと思います。チキンでリスクを取ることを渋りがちな僕ですが、人生一度なのでチャレンジも大切だと思います。客観性とリスクを恐れないチャレンジ精神—この二つを兼ね備えるのは難しいですよね。 忘れてはならないのは、どこまでいってもポーカーは遊戯であり、ギャンブルであること。これを忘れるとトラブルの元です。失礼な態度を取ったり、露骨に他をフィッシュ扱いしたり、テーブル上で「このテーブルはオイシイ・オイシくない」といった会話したり・・・こういったレギュラーは多い。テーブルに座っている人達はあなたにお金を献上するためにポーカーをしてるんじゃないんですよ?と言いたくなる時もあります。最低限の礼儀は身につけてもらいたいです。

 

-- キャッシュゲームでテーブルに初見のプレイヤーが現れた時 --
最初はデータがないので、目で見えて耳で聞こえることを判断しますね。人種・年齢・性別・服装・言葉遣い・発言の内容などで自分の中のデータベースに照らし合わせてプロファイリングする感じです。そこから実際のハンドやアクションを見て修正をしていく。重要なところとしてはオンラインのトラッカー(データ蓄積ソフト)などと一緒で、 ・プリフロップのリンプ・コールドコール・レイズの頻度各ストリートでのコンティネーションベットの頻度それらに対してフォールドする頻度チェックレイズの頻度・フロートベットの頻度どういった種類の間違いを犯すのか。ベットし過ぎ・チェックし過ぎ、コールし過ぎ・フォールドし過ぎ、ブラフし過ぎ・ブラフしなさ過ぎ、どのストリート・どういった状況でその間違いをよく犯すのか。を観察するようにしています。




-- ポーカーの出会いやお母様の存在 --
ポーカーはカナダに留学している時に覚えました。当時のポーカー仲間はみんな仲良く揃って留年してしいました(笑) 学費を出してもらっていた身でありながら、学生の本分を忘れてた僕を今日まで応援してくれている良き理解者の母です。 もちろん当時は怒られました。 僕が母にポーカーを教えたのですが、一番良かったことはポーカー自体もそうなのですが、それによって人と人との繋がりがNPC(名古屋ポーカークラブ)を中心に輪が生まれました。60代の母とその息子が同じ遊戯に(度合いは違えど) 熱を注ぎ、共通の友人を持ち、そして・・・お互いのチップを取り合う(笑) そんな母が大好きだし、彼女とのこういった親子関係を誇りに思ってます。

 

-- 日本のポーカープレイヤーへメッセージ --
非常にマニアックな内容ですが、プレイヤーよりも運営者の人達へのメッセージというか要望はあります。 前述したように、ICM効果によりトーナメントにおいて正しい戦略というには「優勝を狙う」ことではなく、 「一つでも上のプライズを狙ってたら、結果的に優勝してしまった」です。なんとも悲しい現実ではありませんか。 このジレンマの解決方法を何年も前からあのMike Caroが提唱しています。 それは、全てのトーナメントをShootout形式で行うこと。何人テーブルで行うかは任意。1回戦は10人、2回戦は6人、3回戦は4人、それ以降はヘッズアップの勝ち抜きとかでもいい。重要なのは新たにプライズを獲るためには「そのテーブルの全てのチップを保有しなければならない」ということです(つまり10人中3人勝ち抜きとかでは駄目)。これによってICM効果は消え、トーナメント特有のねじれ・歪が解消されます。このねじれ・歪は数学的には面白い事象ですが、ポーカー的にはかなり魅力的ではありません。先にオールインした者が圧倒的に有利で、コールする側は圧倒的に不利。コールしたら、二人とも損して周りのプレイヤーが何もしてないのに得する。 現状では優勝を狙うためには「期待値を捨てること」を承知の上でプレイしなければいけません。 しかし、MikeCaro案だとその必要がないのです。サバイバルの要素はなくなり、最終的に全てのチップを掻き集めた人間が新たな舞台に進む。これこそ王者らしいポーカーではないですか。 なので、世界を先き取って日本で、まずShootoutトーナメントを流行らせましょう。 本気の提案ですが、実現性に乏しいのも承知してます。ただ、こういったことを発言する場は皆無に等しいので、 恐れながらこの場を借りて意見致しました。 

 

-- 最後に一言 --
No deals. Let's play !

 

インタビュー:カツマ(PokerJapan

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